ワンルームマンション投資の実態調査
2025年3月、株式会社TOCHUは全国のワンルームマンション投資家300人を対象に「ワンルームマンション投資家実態調査」を実施し、興味深い結果を得ました。調査に参加した投資家の男女比は男性56%、女性44%、平均年齢は50.3歳となっています。
調査結果の概要
この調査から明らかになったのは、ワンルーム投資市場での二極化です。投資家の40%が1戸のみを保有しており、平均的な保有戸数は6.76戸で、一部の大規模投資家が80戸を所有していることから、明らかに格差が存在します。また、コロナ禍を契機に投資を始める人が増えており、2020年には新たに51名の投資家が参入しました。
コロナ禍の影響
コロナ禍による金融緩和政策や在宅時間の増加が背景にあり、この時期に投資を始めるケースが多く見られました。さらに、多くの投資家が並行して株式や投資信託にも資金を分散させていることが調査結果から読み取れます。特に、NISAの利用率が高いことは、効率的な資産形成を意識している証拠です。
投資動機
調査では、ワンルームマンション投資の主な理由は「安定した副収入を得るため」が44.7%で最多でした。次いで「将来の資産形成のため」が42.7%となっており、多くの投資家が老後資金や年金不安を意識していることが伺えます。これに加え、物件選定で最も重視されるのは「立地条件」であり、東京都に物件が集中していることも特徴的です。
資金調達方法
投資資金の調達方法については「現金購入」と「フルローン」が主流です。調査によると、現金購入が52%を占め、フルローンを利用する層も34.7%おり、利便性や柔軟性を求めるスタイルが共存しています。特にフルローンを選択する投資家が多いのが印象的です。
管理会社の評価
管理会社への委託に関しては、高い満足度を示す一方で評価にはばらつきが見られました。具体的には、満足度の平均は75.42点、中央値は80点で、サービスに満足している投資家が多い一方で、不満を抱いている声も聞かれます。特に、管理会社の対応スピードや報告体制が評価される一方で、運営面での問題点に対する不満も存在しています。
利回りと収入の把握
驚くべきことに、61%の投資家が利回りを「把握していない」と回答しました。また、賃料収入を把握していない投資家も47.7%に上り、基本的な投資管理ができていないという深刻な課題が浮き彫りになりました。この点は、投資教育や専門的支援の必要性を浮き上がらせています。
成功率の解析
ワンルームマンション投資が成功しているかの質問には、65%の投資家が「成功している」と答えましたが、利回りの把握ができていない中での高い成功感には注意が必要です。多くの投資家が主観的な成功の基準で自らを評価していることが示唆されています。
期待するサポート
投資家が不動産会社や管理会社に求めるものの中で、最も重視されるのは「コスト」や「募集能力」、さらに「サポート体制」です。これらの要素をクリアすることが、ワンルーム投資の成功に不可欠な要素であると考えられます。
総括
調査を通じて、ワンルームマンション投資市場にはさまざまな投資スタイルが存在し、新規参入者の増加が顕著です。その一方で、投資管理の基本ができていない点や、成功を感じている理由の多くが主観的であることが明らかになりました。今後、投資教育の重要性がさらに増すことは間違いありません。詳細な結果に興味がある方は「ワンルームマンション投資家のリアルを解剖:300人調査から見えた成功と課題」をチェックしてください。