MSCI、プライベート企業の収益性を可視化する新インデックスを発表
日本時間2025年4月28日、MSCI Inc.が新たにプライベート資産のパフォーマンスを測定するインデックスを2つ発表しました。これにより、投資家やウェルスマネージャーは、ベンチャーキャピタル(VC)の出資先企業のパフォーマンスを詳細に分析し、資産配分の戦略を強化できるようになります。今回は、この新しいインデックスがどのようなもので、市場にどのような影響を与えるのかを探ります。
プライベート資産市場の背景
最近の調査により、ベンチャーキャピタルからの資金提供を受けたプライベート企業は、ますます注目されています。特に高成長が期待されるテクノロジー関連の企業がこの分野に多く見られます。しかし、プライベート企業の株式は証券取引所で取引されることが少なく、流動性の面からはOTC(店頭取引)市場が重要な役割を果たしています。ここにMSCIは新たに開発したインデックスで、プライベート市場の取引データをもとに投資家の分析ニーズを満たそうとしています。
MSCIの新インデックスの特徴
MSCIが発表したインデックスには、2つの異なる種類があります。まずは「MSCIオール・カントリー ベンチャー・キャピタル出資先プライベート・カンパニー・トップ20均等加重指数」と「MSCIオール・カントリー ベンチャー・キャピタル出資先プライベート・カンパニー20均等加重ヴィンテージ指数」です。これらは、セカンダリー市場で取引実績のある大手プライベート企業を対象に、パフォーマンスを測定することを目的としています。
MSCIのインデックス部門の責任者、ヤナ・ヘインズ氏は、「プライベート市場への投資家の関心が高まる中、プライベート企業とファンドに関する高品質なデータとパフォーマンス測定が重要になる」と述べています。
今後の展望
MSCIの新インデックスは、投資パフォーマンスの透明性を高め、投資判断の材料として機能することが期待されています。特に、最近の景気回復や新たなテクノロジーの革新によって、これらプライベート企業の成長可能性が高まる中、投資家にとっては貴重な情報源となるでしょう。
加えて、MSCはすでに「MSCI プライベート・キャピタル・インデックス」も提供しており、時価総額11兆米ドル以上のプライベートキャピタルファンドのパフォーマンスを網羅しています。
新たなインデックスによって、プライベート市場における各種情報がより明確になり、投資から得られるリターンの算出が容易になることが期待されます。
このように、MSCIはプライベート企業への投資情報の提供を通じて、投資家の判断をサポートしていくことでしょう。より良好な資産運用を目指す投資家にとっては、注目すべきニュースです。