京都大学防災研究所に新たな寄附研究部門設立
日本では自然災害が年々増加傾向にあり、災害による人的被害や社会機能の停止を防ぐための取り組みが急務とされています。こうした状況を受け、パシフィックコンサルタンツ株式会社は京都大学防災研究所に寄附研究部門を新たに設立しました。この部門は、災害レジリエンスを高めるための研究と実践を行う場所として期待されています。
災害レジリエンスの実現に向けて
新たに設立された寄附研究部門の名称は「流域土砂マネジメント研究領域(River Basin Sediment Management、RiSM)」で、京都大学防災研究所の気候変動適応研究センターに位置づけられています。この部門では、自然災害による被害をゼロに近づけることを目指し、土砂災害の発生予測や効果的な避難方法についての研究が進められます。
部門の担当教員である竹林 洋史特定教授は、特に土石流の数値シミュレーション技術の高度化に注力しており、土砂災害への理解を深めるための研究を進めています。また、川の蛇行や洪水を防ぐ方法についても調査しており、動植物が快適に生息できる環境の整備に向けた取り組みを視野に入れています。
さらなる強化を目指す産学連携
パシフィックコンサルタンツは、1995年から長年にわたり防災分野での研究および実務に携わってきました。その経験を活かし、今回の寄附研究部門設立を機に明確な目標に向かって邁進しています。また、桑原 正人特定講師は、治水や河道計画、危機管理に関する業務を通じて、安全で持続可能な地域社会の実現を目指しています。彼は特に、実務に役立つ流域土砂マネジメント技術の開発に貢献しており、様々な物質輸送現象を対象にした研究を進展させています。
研究の重点項目
この寄附研究部門では以下のような研究課題が掲げられています。
- - 河川の形状の不安定性や可変河川構造物を用いた河川の動的なマネジメント
- - 気候変動を考慮した流域地形管理の技術開発
- - 土砂災害における二次災害防止や、捜索救助技術についての研究
持続可能な社会に向けたビジョン
パシフィックコンサルタンツ株式会社は、1951年の設立以来、建設コンサルタント業界におけるリーディングカンパニーとして、社会インフラの整備やまちづくりの計画・設計など、幅広い分野で貢献してきました。現在のビジョン「未来をプロデュースする」に基づき、災害による危険を最小限に抑え、誰もが安全に暮らせる持続可能な社会の実現に向けた新たな価値を創出しています。
まとめ
京都大学防災研究所における寄附研究部門の設立は、災害に対する取り組みをより一層強化し、安全に暮らせる社会の実現に向けた重要なステップです。これからの研究から目が離せません。