現代書のアート展「書の詩を聴け」
2025年の秋、東京都台東区にあるWATOWA GALLERYでは、新たなアート展「書の詩を聴け」が開催されます。この展覧会は、戦後の現代書に焦点を当て、特に前衛書と現代美術の関係性を掘り下げることを目指しています。
展覧会の概要
本展は、2025年9月23日から10月31日までの期間にわたり、WATOWA GALLERYで開催されます。月曜・火曜は定休日ですが、10月13日は特別に開廊される予定です。観覧料は1,000円で、冊子が付いており、高校生以下は無料で入場できます。
書と詩の歴史
書芸術は、長い間「詩」と密接に関わってきました。この関係を通じて、書は文学、政治、思想、そして哲学といった要素を内包しています。しかし、近代の流れの中で、書における「詩」の位置づけは後退し、しばしば排除される運命に遭いました。結果として、現代書は「詩」との関わりを失い、その歴史が狭まる一因となったのです。
新たな視点での再考
本展では、これまで埋もれてきた詩的な書の表現を新たな視点から再評価します。参加するアーティストたちは、書と現代美術の間に横たわる共通点を探求し、新たな創造の可能性を模索しています。一部のアーティストは、従来の書の枠を超えた実験的なアプローチを採用しています。
参加アーティストの紹介
展覧会には、莚平桃太郎、柿下木冠立、山本大廣など、気鋭のアーティストが揃っています。各アーティストは、自身のスタイルや視点を持って、書の新たな表現を試みています。たとえば、莚平桃太郎は、書の物質性を生かしつつ、視覚的な要素とのコラボレーションを重視しています。
関連イベントの実施
また、展覧会に伴い、トークイベント「現代書は批評したか」も開催される予定です。2025年10月5日には、著名なアーティストや評論家たちが集まり、現代書についての議論を深めます。定員は30名で、事前予約が必要です。
WATOWA GALLERYの役割
WATOWA GALLERYは、現代日本のアートシーンにおける新たな形を探求する若手アーティストたちのコミュニティです。特定のアートスペースを持たず、あらゆる空間をギャラリーとして捉え、アートを市民の日常に光を当てる試みを続けています。これまでの活動を通じて、アートとファッション、テクノロジーが融合した新しい文化を創造しています。
この「書の詩を聴け」展を通じて、参加者は新たなアートの形に触れ、書と詩の新しい価値を体験することができるでしょう。私たちの目の前には、これまで見逃されてきた書表現の未来が広がっていると感じさせる展覧会になることは間違いありません。