岐阜の伝統「和傘」技術継承を目指した教育事業が始動

岐阜の伝統工芸「岐阜和傘」の未来を育む新たな試み

岐阜市で、伝統工芸として名高い「岐阜和傘」の技術を次世代に受け継ぐための教育事業が開始されます。このプロジェクトは、NPO法人ORGAN、一般社団法人岐阜和傘協会、そして株式会社トラストバンクが連携し、地域の特性を活かした支援を行うものです。

伝統技術の継承を狙う「和傘塾」

「和傘塾」は2025年4月14日に岐阜県岐阜市にオープン予定です。この教育機関では、岐阜和傘職人の技術を伝授することを目的としています。初期段階であるプレ開塾には、熟練の職人が講師として参加し、技術や経験の伝承を行う予定です。

この取り組みについて、NPO法人ORGANの蒲勇介理事長は、「休眠預金を活用した地域事業者支援プログラムにおいて、長良川流域の文化を未来へつなぐ教育事業が生まれました。次世代を担う職人を育成することが、地域特産品の発展に不可欠です」と述べています。

岐阜和傘の伝統と課題

岐阜市の花柳界では、江戸・明治時代から多くの芸舞妓が活躍しており、その際には伝統的な「岐阜和傘」が重要な小道具として使用されてきました。しかし、近年、この和傘を作る職人の数が減少しており、特に「張り」や「仕上げ」といった工程において担い手が不足しています。

和傘づくりは主に分業制で行われていますが、職人育成に関するノウハウの不足が課題となり、地域全体の生産能力にも影響を与えています。このような状況を打開するための一つの手段として、「和傘塾」が立ち上がることとなりました。

具体的な支援プログラム

本プロジェクトでは、岐阜和傘協会が提供する職人育成プログラムの構築を進めるだけでなく、ORGANがサポートすることで地域の伝統技術の継承を促進していきます。さらに、和傘塾の運営を通じて、布教活動や新たな市場の開拓も目指されています。

ORGANは、岐阜文化の魅力を発信し続け、「長良川てしごと町家CASA」などの拠点を通じて、職人のプロダクトを広める活動を行っています。このような取り組みが、岐阜の地域経済や文化を持続可能な形で強化することを狙っています。