scheme vergeとチュラロンコン大学、MOU締結
東京を拠点とするscheme verge株式会社は、タイ王国の名門・チュラロンコン大学の災害危機管理経営情報システム研究ユニット(DRMIS)と、災害管理ソリューションの開発に関する覚書(MOU)を締結しました。この提携によって、両者はリアルタイムデータやAIを駆使して、防災の先進的な解決策を模索していくことを目指します。
MOU締結の背景
scheme vergeは設立以来、スマートシティに特化した技術開発を行ってきました。過去2年間の研究開発の成果として、同社は「Horaiスマートタウンボード」を導入。これはセンサーデータを用い、日常の人流誘導を支援するだけでなく、災害時には迅速な避難スキームを提供する画期的なソリューションです。デジタルサイネージやスマートフォンアプリを通じて、トラフィックや人流のリアルタイム情報をもとに、利用者に最適な情報を届ける仕組みです。
今回のMOU締結により、scheme vergeはDRMISの専門的知見を活かし、タイ及びASEAN地域における防災能力向上に貢献する新たなソリューションの創出を目指します。創業元の東京大学の知見を注ぎ込み、技術革新を進めることで、これらの局面を強化します。特に、災害の多いアジア地域において、両国の知見を融合させて、スマートビルやスマートシティへの実装を実現しようとしています。
重要性と目的
また、今回の覚書は、2025年3月28日に発生したミャンマー中部地震も踏まえたものです。この地震による長周期地震動がバンコクにも影響を及ぼし、高まる地域の防災意識の中で、このパートナーシップは重要性を増しています。日本とタイがタッグを組むことで、迅速な復旧プロセスと減災効果を見込んでいます。
MOUには、次の2点が主な目的として掲げられています。1つは、リアルタイムデータとAIを利用した防災ソリューションの共同開発、2つ目はこの成果を基にしたスタートアップ事業の創出です。これにより、特に都市安全にフォーカスを当て、ASEAN地域の未来を築く一助となることを期待されています。
チュラロンコン大学のDRMISについて
チュラロンコン大学で設立されたDRMISは、災害リスク管理に関する学際的なリサーチと人材育成を手掛けています。グループ長のナット・リーラワット氏は、両国における災害危機管理の専門家であり、彼の経験が今回の提携をさらに強固なものにします。
同研究ユニットは、サステイナブルな社会の実現に向け、地域に貢献する研究と人材育成を推進しています。DRMISは、災害関連のデータ分析や事業継続マネジメントに関する深い知見を有しており、scheme vergeとの協力により、これらの知識をより広く普及させることが期待されています。
今後の展開
scheme vergeは、今回のパートナーシップを通じて、新たな技術を駆使して、防災スマートシティの実現に向けた人材育成や新規事業の発掘を行う計画です。同社は、技術革新と人材育成の両方を進め、ASEAN地域の持続可能な発展に寄与していく所存です。日本のスタートアップがASEAN地域でどのように活躍し、地域の問題を解決していくのか、その取り組みに十分な期待が寄せられています。