ココロミルが山梨県で心疾患予防に挑む
株式会社ココロミルは、山梨県が進める「第9期TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」に採択されたことを発表しました。このプロジェクトでは、同社の開発した
在宅型長時間心電図検査サービス「ホーム心臓ドックpro」 を活用し、地域住民の健康維持と心疾患の早期発見を目指します。
プロジェクトの背景
山梨県は、介護認定者の中で心疾患が最も多く、循環器疾患は要介護状態に直結する重大な問題です。一方で、男性の健康寿命が全国3位、女性は4位という地域特性があり、住民の健康意識が非常に高いことでも知られています。このような特性を踏まえ、ココロミルの「ホーム心臓ドック」を導入することで、短時間の検査では見逃されがちな不整脈や睡眠時無呼吸症候群、ストレスを早期に把握し、突然死や寝たきりのリスクを軽減しようという狙いがあります。
実証実験の構成
この実証実験の主な内容は以下の通りです。
1.
モニターの提供
山梨県内の企業に勤務する最大100名の従業員に「ホーム心臓ドックpro」を無償で提供します。
2.
オンライン医療連携
異常が見つかった場合、オンラインクリニックを利用しての受診を無料で提供し、さらに必要に応じて地域の病院への紹介も行います。
3.
評価項目
- 潜在的な心疾患の発見率
- 睡眠の質やストレスとの関係
- 行動変容率(受診行動や健康意識の変化)
- 地域医療機関との接続率
実証実験の意義
このプロジェクトには以下のような意義が期待されています。
1.
地域ニーズに応じた対策
心臓病や脳血管疾患のリスクを低減し、健康寿命を延ばすための予防策を講じます。
2.
医療費の抑制
不整脈の早期発見により、1人当たり約800万円の医療・介護費の削減効果が予想されています。
3.
地域の労働力維持
突然死や寝たきりを防ぐことで、地域の雇用を守ることにもつながります。
ココロミルの技術とサービス
ココロミルの技術には、いくつかの特徴があります。
従来のわずか30秒の検査に対して、9〜24時間の計測を行い、日常生活での心電図を可視化します。これにより不整脈や睡眠時無呼吸症候群の兆候を捉えることが可能です。
新モデルには6軸センサーが搭載され、身体の動きや呼吸のモニタリング精度を高めています。これにより睡眠の質がさらに正確に評価できます。
93歳の高齢者でも簡単に使用できるよう、デザインに配慮されています。
検査から医療機関への受診まで一貫してサポートすることが可能です。過去のアンケートでは、8割以上の人が行動変容を感じています。
代表取締役CEOの思い
代表の林大貴氏は、母を突然死で失った経験をもとに、「病気で後悔する人を減らしたい」という想いでこの事業を続けています。山梨での実証を通じて、在宅での心電図検査と医療連携の新しいスタンダードを確立し、後に全国規模で展開していく意向を示しています。
まとめ
ココロミルの取り組みは、地域の健康を守りながら、医療・介護のコスト削減、そして労働力の維持にも寄与することが期待されています。今後の実証実験の結果に、多くの目が注がれています。