経済的困難を抱える家庭の夏休み実態調査:体験格差の現状
認定NPO法人チャリティーサンタが実施した調査から、経済的に 困難な子育て家庭の夏休みの厳しい実態が明らかになりました。今回の調査は、3,871世帯からの回答を基にその実情を探りました。その結果、約50%の家庭が「子どもが希望する体験はほとんどできない」と回答し、特に気になるのは、6世帯に1世帯が「夏休みの体験予算が0円」という深刻な状況に置かれていることです。
調査の詳しい内容
調査では、具体的には以下のような結果が示されました。
1.
夏休みの体験予算が「0円」
約641世帯(全体の16.6%)が、夏休みの体験にかけられる予算が0円であると回答。さらに約半数の家庭(49.4%)が「体験予算が5,000円以下」と答えています。この予算は、映画館での鑑賞1回分にも満たない額で、長期休暇中に何か特別な経験をすることが難しい現実が浮き彫りになっています。
2.
子どもが希望する体験の実現度
今年の夏休みについて、「子どもが希望する体験はほとんどできない」との回答が50.0%に上りました。この実態は、特に体験機会が減少し、子どもたちがあきらめざるを得ない状況が続いていることを示しています。
3.
保護者の心情
調査の結果、保護者の72.5%が「子どもとの夏休みを憂鬱に感じる」と答え、楽しみと感じているのはわずか27.5%でした。実際、コメントの中には、「お弁当作りや経済的な負担で心身共に苦痛を感じている」といった声が多く、深刻な生活難がそのまま夏休みに影響していることが浮かび上がっています。
4.
行きたい屋内施設は映画館が1位
子どもたちが興味を持つ施設として最も多かったのは映画館で、73%が希望しています。続いて水族館やプールなどが挙げられており、特に猛暑の今年は涼しく過ごせる施設へのニーズが高いことが窺えます。
映画館体験を提供する「シェアシネマ」
このような厳しい現実を受け、チャリティーサンタは「シェアシネマ」というプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトの目的は、経済的に困難な家庭の子どもたちに映画鑑賞のチケットを無償で提供し、特別な体験を通じて夏の思い出を作ることです。
プロジェクトの概要
児童扶養手当や生活保護を受給している家庭など、経済的に厳しい状況にある家庭が対象となります。
全国の映画館で使えるデジタルギフト形式の鑑賞チケットを提供しています。
2024年夏には約1,000人、2025年春には約3,000人の子どもたちに映画体験を提供予定です。
総括
今回の調査は、物価高騰の影響でますます多くの家庭が夏休みに楽しまず、心に残る思い出を作る機会を失っていることを示しています。チャリティーサンタでは、一人でも多くの子どもたちに「愛された記憶」を届けるコトを目指しており、皆さんの寄付を待っています。すべての子どもが笑顔でいられるよう、私たちも全力でサポートしていきます。