ゼンリンとアーバンエックス、インフラ管理事業を強化するグループ化の背景

株式会社アーバンエックステクノロジーズが2025年7月1日付で、株式会社ゼンリンに子会社化される形でその経営の一部が新たに始まります。アーバンエックスは、都市インフラの管理を支援するために実用的なデジタル基盤を築くというビジョンを掲げ、革新的なソフトウェアやサービスを展開している東京大学発のスタートアップ企業です。

一方、ゼンリンは膨大な地図情報データベースを持ち、自治体やさまざまな業界に向けてビジネス課題や社会課題の解決を目指したソリューションを提供。最近では、全国各地の社会資本老朽化問題がクローズアップされており、その中でインフラ管理の効率を高める必要性が叫ばれています。

株式取得の背景

アーバンエックスとゼンリンの提携は、両社の強みを結集し、インフラ管理における効率化を推進することが目的です。特に、近年問題とされる道路や橋梁、トンネルといった社会基盤の老朽化は緊急の課題であり、自治体の土木職員数も減少する傾向にあるため、DX（デジタルトランスフォーメーション）が求められています。

アーバンエックスのAI技術とゼンリンの地図情報データを組み合わせることで、新しいソリューションサービスが開発され、地方自治体や企業向けに提供される見込みです。この連携により、これまで以上にスムーズなインフラ管理が実現されることが期待されています。

アーバンエックスの使命

アーバンエックスの代表取締役社長、前田紘弥氏は、今回のゼンリングループへの参加について「都市インフラをアップデートし、すべての人の生活を豊かにすることが私たちの使命であり、ゼンリンの精緻な地図データとの融合により、より安全で効率的なインフラ維持管理ソリューションを提供できる」とのコメントを寄せています。

今後、アーバンエックスは「RoadManager」シリーズを中心に、インフラ管理の対象を拡大し、より多様なサービスを提供する方針です。この新たなインフラ管理の形は、全国の自治体や企業たちにとって大きな利点となり、その影響は今後ますます広がることでしょう。

アーバンエックステクノロジーズの主なプロダクト

アーバンエックスが提供する「RoadManagerシリーズ」は、道路管理者や工事業者、コンサルタント向けにAIを活用したスマートフォンおよびドライブレコーダーを用いた道路点検ツールです。具体的には、スマートフォンに搭載したアプリを活用し、走行中に撮影した画像から道路の損傷を自動で検知します。これにより、作業の効率が飛躍的に向上します。

すでに、全国50以上の自治体や各国道事務所で採用される実績を持ち、その効果が広く証明されています。こうした取り組みは、地方自治体においても業務の効率化を促進し、インフラ管理の質を高めるために不可欠な要素となるでしょう。

今後の展望

ゼンリンとアーバンエックスの連携によって、インフラ管理の領域で持つ可能性は無限大です。特に、AI技術を駆使したデータ解析や管理システムの進化は、今後のインフラ維持管理の新しいスタンダードとなるはずです。両社が手を組むことで、社会的な課題の解決にも貢献できると考えられています。この新しいビジョンで、インフラの未来を切り拓くミッションが今まさに始まろうとしています。