湘南発の食品ロス削減アプリ「トリニコ」誕生
食品ロスは決して他人事ではない。合同会社クアッガの代表、斉藤優也氏が地域密着型のアプリ「トリニコ」を湘南地域でリリースした背景には、強い地元愛と深い思いがある。その目的は、湘南・横須賀エリアの飲食店と地域住民をつなぎ、食品ロスを減少させること。
トリニコの概要
「トリニコ」は、湘南・横須賀・藤沢地域に特化したアプリで、余剰食品の販売や地域住民とのマッチングを通じて、食材の無駄を無くす取り組みを行っている。アプリを利用することで、ユーザーは余った食品をお得に購入し、環境に優しい選択をすることができる。利用者はアプリ上で商品を確認し、予約後に店舗で受け取る仕組みだ。
これにより、地域の飲食店や生産者同士の「つくり手の愛」と、消費者の「食べたい」という欲求がつなげられ、食品の循環が促進される。
背景にある想い
斉藤氏は、湘南地域での生活を通じて「顔が見える関係」の大切さを実感した。カフェやパン屋、和菓子店など、親しみやすいお店の存在が多く、人々のつながりが強いこの地域でこそ、食品ロス削減のアプローチが効果的であると考えたのである。
2018年から展開しているパンの通販サービス「rebake」を通じて、廃棄ロスの問題に取り組んできた経験から、単なる環境問題だけでなく、「魂の問題」として捉えるようになった。作り手が心を込めて作った食品を、大切にいただく文化を広めたい。この想いが「トリニコ」の立ち上げに至った。
物流を見直した取り組み
「通販は忙しくてできない」という多くの飲食店の声から、斉藤氏は新たなビジネスモデルを考える必要があると感じた。箱詰めや発送など、通販の作業負担が多いため、地域での直接的な交流を通じて食品ロスを減らす「トリニコ」を開発。これにより、消費者と生産者の距離を縮め、地域社会に根付く仕組みを作り上げた。
湘南から広がる取り組み
「トリニコ」の展望は、湘南地域を起点として全国に広がること。特に、地域の人々が「食品ロス削減に取り組むことが当たり前」であるような環境を育てていくことを目指している。斉藤氏は「毎日100人が飴玉1個分の食べ物を大切にすることで、世界は変わる」と語り、小さな行動が大きな変革の第一歩になると信じている。
まとめ
「トリニコ」は、湘南地域の飲食店と住民が共に連携し、食品ロスを減らす新しいアプローチ。今後もこの地で愛されるアプリとして成長し、地域に新たな循環をもたらすことが期待されている。食品ロス削減のキーは、愛の循環。この取り組みを通じて、湘南がその震源地となることを願ってやまない。