自動運転トラックを用いた酒類物流の新たな挑戦が始まる!
2025年の夏、酒類や飲料の物流の未来が大きく変わるかもしれません。株式会社T2が、アサヒロジ株式会社、キリングループロジスティクス株式会社、サッポログループ物流株式会社、サントリーロジスティクス株式会社の4社と連携し、自動運転トラックを使用した幹線輸送の実証実験を実施することが決定しました。このプロジェクトでは、関東と関西を結ぶ高速道路を往復し、各社の製品を効率的に輸送することを目指します。
背景にある「2024年問題」
近年、トラックドライバーの不足が深刻な問題になっています。「2024年問題」と言われるように、2024年以降に物流業界では18歳以上のドライバーの取得が難しくなることが予測されているのです。これにより、2030年には輸送能力の34.1%が不足する恐れもあるとのこと。
T2はこの状況を受けて、自動運転技術を活用し、2027年からはレベル4の無人トラックによる輸送開始を目指しています。このトラックは、最大15時間の運転が可能で、ドライバーの拘束時間を無視できるため、従来の半分の時間での輸送が期待されます。
実証試験の詳細
実証試験は2025年の6月から11月にかけて、計16回の往復を予定しています。主に関東と関西間の高速道路の特定区間で行われ、以下のような主要なルートが設定されています。
1. 往路:キリンビール横浜工場 → キリンビール神戸工場 復路:アサヒビール吹田工場 → アサヒビール茨城工場
2. 往路:サッポロビール千葉工場 → サッポロビール大阪物流センター 復路:サントリープロダクツ宇治川工場 → サントリー海老名配送センター
また、試験で使用される製品には、アサヒ「アサヒスーパードライ」、キリン「キリン一番搾り生ビール」、サッポロ「サッポロ生ビール黒ラベル」、サントリー「サントリー クラフトボス ラテ」などが含まれています。
小売への影響と期待される未来
酒類・飲料業界は、他の業種と比べてトラックの運行数が非常に多く、特に季節需要の高い時期にはドライバーの確保が難しい状況です。この物流上の問題に対して、T2の自動運転トラックが解決策となることが期待されています。
今回の実証試験を通じて、幹線輸送における自動運転の判断力や物流品質の検証が行われ、成功すれば新たな運送モデルが確立されるでしょう。力強い運搬能力を持つ自動運転トラックは、業界の物流課題を一掃する可能性を秘めています。
企業の役割と今後の展望
T2は全体のマネジメントを行う一方、各社は実証貨物を提供し、実際の物流に即した実験を行います。実証が成功すれば、2024年の問題への強力な対策として確立された持続可能な輸送体制が実現することでしょう。
今回の取り組みは、自動運転技術が酒類物流に革新をもたらす一歩となるのか、今後の展開に目が離せません。自動運転の普及が進む中、皆さんもこの革新的な試みを注視してみてはいかがでしょうか。