鳥取県青翔開智中学校が全学年でAI英語学習「ELSA Schools」を導入
鳥取県鳥取市にある青翔開智中学校・高等学校が、2025年4月から中学校全学年(1年生から3年生)にわたり、AIを活用した英語学習アプリ「ELSA Schools」を導入することが決まりました。これは、鳥取県において初めての取り組みであり、地域の教育環境に大きな影響を与えることでしょう。
ELSA Schoolsとは?
ELSA(English Language Speech Assistant)は、AIを駆使して英語の発音をサポートするプラットフォームです。学習者は自身の発音や流暢さを瞬時にフィードバックされ、自信を持って英語を話すスキルを磨くことができます。2019年にGoogleのAI投資部門から資金提供を受け、現在では192カ国以上、6000万人以上のユーザーに利用されるほどの人気を誇ります。特に独自の音声認識技術により、個々のスピーキングの弱点を特定し、短期間での改善を実現しています。
青翔開智中学校の教育理念
青翔開智中学校・高等学校は、建学の精神に基づき、「探究」「共成」「飛躍」の3つの柱を掲げています。この理念のもと、世界基準の英語力を育成するためのカリキュラムが組まれており、英語科では「教室を超えて、世界と共感しよう」という目標を持って授業が展開されています。特に「探究スキルラーニング」によって、通常の授業と探究活動のスキルを一体的に育成する取り組みが行われています。
さらに、1年生ではフォニックスを取り入れて発音と文字の関係を学び、英語に対する意識の向上を図っているのです。
AIの導入による新たな展開
昨年からELSAが導入されたことにより、生徒たちの英語の発音意識が高まり、自主的な学習姿勢が育まれるといった成果が見られました。この成功を受け、今年度は新機能「AIロールプレイ」を搭載したELSAのバージョンアップ版が全学年で活用されることになりました。これにより、生徒たちはよりプレッシャーの少ない環境で実際の会話を模した練習ができ、実践的な英語力を身につけられます。
英語科の石田直也先生は、「ELSAの利用において、AIによる即時フィードバックの精度が特に魅力的で、『英語らしさ』を構成する要素を多角的にトレーニングできることが決め手でした」と語ります。更に、学習方法として「筋トレ(発音練習)→練習試合(AIロールプレイ)→公式戦(人との対話)」という段階的な構成を取り入れることで、より自然な流れで英語を学ぶ環境が整えられています。
効果的な学習環境の構築
特にELSAの導入によって個別最適化された学びが実現される点は、生徒たちにとって大きな魅力です。ゲーム感覚で学び進められるため、モチベーションも維持しやすく、成績への反映も期待できる点が、継続的な学習を助けています。
最近では、洋画を利用したドラミフィケーション(物語形式)の取り組みも行い、学習への興味や、実社会とのつながりを深める活動として評判を集めています。
今後も青翔開智中学校では、ELSAを通じて生徒が“生きた英語”を習得する環境を整え、教育の質を一層向上させていく方針です。
まとめ
青翔開智中学校のこの革新的な試みは、単に英語教育を強化するだけでなく、地域全体の教育の質向上にも寄与することでしょう。AI技術が教育の現場でどのように活かされていくのか、今後の展開に期待が高まります。