東京大学とJNI、偽情報評価指標の整備に向けて共同研究を開始

東京大学とJNIが偽情報評価指標の整備に向けた共同研究を開始

株式会社Japan Nexus Intelligence（JNI）と東京大学先端科学技術研究センターが手を組み、偽情報や悪質な情報の影響を客観的に評価可能な指標を整備するための共同研究を始めました。JNIの副社長である髙橋史弥氏が研究チームに参加することで、企業が偽情報に対するリスクを迅速に評価し、適切な対策を講じる支援が期待されます。

研究の背景と目的

これまで国内外では、偽情報や悪意ある情報の影響を評価するための研究が進んでいましたが、その多くは国外の脅威アクターを前提としたものであり、日本国内で有用となる指標の整備が急務とされています。特に、日本の民間企業がこれらの評価指標を効果的に活用することが求められています。これにより、偽情報の影響を受けた企業が迅速にその脅威度を評価し、必要な対策を講じられるようになることを目指しています。

共同研究では、まず過去の研究を整理し、既存の評価指標の利点や課題を洗い出します。その後、評価指標を構成する「拡散度」や「ナラティブの悪質性」といった要素を明確に定義し、企業がこれを基に判断を行えるようにしていきます。JNIと東京大学の井形研究室が持つ豊富な分析実績とノウハウを活かし、実践的な評価指標の整備を進めます。

井形研究室のコメント

東京大学先端科学技術研究センターの井形彬特任講師は、「経済と安全保障の境界が曖昧になる中、偽情報がもたらす影響の重要性が増しています。これに迅速に対応するためには、国内外での共通の課題を解決する必要があります」と述べています。アカデミアで得られた分析手法とJNIのインテリジェンスリサーチ能力を組み合わせることで、実務的なアプローチが展開されることが期待されます。

髙橋氏の考え

髙橋氏は「民間企業が偽情報による被害を受けた際、客観的かつ信頼できる評価指標が整備されていないことで、多くの時間がかかっていました。この共同研究を通じて、企業がリスクを的確に把握し、必要な対策を講じられるように支援したい」とコメントしています。

井形研究室の研究内容

井形研究室では、経済安全保障に関連する幅広い研究が行われています。特に、偽情報や影響力工作に対する対策や、先端技術の運用に関する研究が進められています。経済安全保障をテーマにした国際比較や、食品安全保障の向上に向けたフードテックの研究も注目されています。

まとめ

新たな情報リスクに立ち向かうため、株式会社Japan Nexus Intelligenceと東京大学先端科学技術研究センターが手を組んだ今回の共同研究は、日本国内の企業にとって重要な第一歩となるでしょう。この取り組みにより、偽情報に対する迅速な対応が可能になることが期待されます。今後の進展に注目が集まります。