太陽化学、PHR活用の健康促進プロジェクトから得られた新たな示唆

最近、太陽化学株式会社が経済産業省の令和6年度日常生活におけるPersonal Health Record（PHR）を活用した実証調査事業の最終報告書を公開しました。この取り組みは、日常生活においての健康意識の向上と、実際の購買行動の変化を促進することを目的にしており、その成果や示唆が注目されています。

プロジェクトの背景と目的

太陽化学は食品素材メーカーとして、健康と栄養に関する知見を生かし、セブン-イレブン・ジャパンやその他の関連企業とのコンソーシアムを通じて、本プロジェクトを進めてきました。目指すは、コミュニティでの健康づくりの支援です。セブン-イレブン多摩センター駅西店を実証フィールドに選定し、18日間にわたり、165名の生活者を対象に健康データの測定を行いました。

健康データの収集と分析

プロジェクトでは、参加者の健康情報を体組成計やヘモグロビン推定値測定機器を用いて収集し、加えて日常生活におけるライフログ（歩数や睡眠時間）も専用アプリに蓄積しました。データの解析を通して、生活者一人ひとりに適した商品提案が行われる中で、健康に対する意識や行動がどう変化するのかを明らかにすることとしていました。

健康意識の向上と購買行動の変化

最初と最後に実施したアンケートの結果、参加者の健康意識が向上していることが示されました。そして興味深いことに、健康に無関心な層であったにもかかわらず、彼らの購買行動が変わった可能性があることが確認されました。具体的には、サラダチキンや豆腐、ヨーグルトなどの健康的な食品の購入数が増加する傾向が見られました。

商品カテゴリごとの健康感

また、興味深いのは「健康」の定義が商品カテゴリごとに異なるということです。参加者から寄せられた要望の中には、パンに対しては低糖質を求める一方で、飲料に対してはビタミンを摂取しやすい製品が良いという声がありました。このように、商品によって求められる健康の形が異なることが明らかになりました。

今後の展望

本プロジェクトは、PHRの活用を通じて、パーソナライズされた商品提案が生活者の健康意識や購買行動に変化をもたらす可能性を示唆するものでした。太陽化学は、引き続き「世界の人々の健康と豊かな生活文化に貢献する」という理念の下、日常生活の中で健康を意識させる取り組みを進めていく意向を示しています。

この実証事業の成果や詳しい情報は、経済産業省の公式サイトでも公表されていますし、2025年に開催予定の第3回健康フォーラムでも取り上げられる予定です。その時にどのような新たな知見が得られるのか、期待が高まります。健康に関心を持つすべての人々にとって、興味深い結果が得られることを願っています。