企業はなぜ人を育てられないのか
リクエスト株式会社の人的資本開発プランニング®センターが発表したレポート『なぜ、どの企業でも「人が変われなくなっている」のか』は、今多くの企業が直面している人材育成の課題についての洞察を提供しています。33.8万人、980社の行動データをもとに、現場でなぜ「人が育たない」「現場が変わらない」という現象が起きているのかを解明しました。
問題の本質は「構造」にある
一般的に考えられる「個人の意識の問題」や「若手の甘さ」「マネジメント力不足」といった要因は本レポートでは採用されていません。なぜなら、企業の現場では「何かがおかしいが、誰が悪いわけでもない」という共通の違和感があるからです。この違和感が示すように、企業が抱える人材育成の問題は、単なる個人の能力の問題ではないのです。
環境変化と企業の選択
近年、企業は働き方改革や人口減少、市場の縮小といった環境の変化に直面しています。その中で、多くの企業が選んだ効率化や標準化、役割分担、属人性の排除といった施策は、当時としては合理的なものでした。しかし、その結果として生まれた新たな業務の構造は、効率的ではあるものの、判断を持たない業務遂行が固定化され、個人の裁量や経験が奪われることになりました。これを「人の劣化」ではなく、「経験の欠落」とレポートは定義しています。
実務と経験の乖離
現場では十分な実務が行われていますが、その一方で振り返りや反省をする時間がなく、成功や失敗が次に生かされることも少ないのです。その結果、残るのは体験だけで、これを基にした経験には至っていません。「実務はあるのに経験が増えない」とは、まさにこの状況を指しています。
研修の意義
人が変わるためには、「研修 → 実践 → 経験」という循環が不可欠です。しかし、研修が増えても効果が見えにくいのは、単に知識を与えるだけではなく、それを実務を通じて次に役立つ経験へと変換することが重要であるからです。
本レポートの結論
本レポートのメッセージは明瞭です。「違和感を覚えているあなたの感覚は、正しい」。人が変われないのは怠惰や甘えからではなく、経験の設計が意図的に行われてこなかったためです。この視点に立って、人や組織ではなく、「仕事のつくり方」を問い直す必要があるのです。
レポート概要
- - タイトル: なぜ、どの企業でも「人が変われなくなっている」のか─ 効率化・標準化の成功が生んだ“経験設計の空白” ─
- - 分析対象: 33.8万人 ・980社
- - 公開形式: PDFレポート
- - 制作: 人的資本開発プランニング®センター
このレポートは、多くの企業が直面している人材育成の課題を再考する絶好の機会を提供します。これからの企業がどのように人材を育成し、変革を遂げるのか、一つの指針となるでしょう。