乳酸菌OLL2712株のIL-10誘導メカニズム解明: 健康維持への寄与
明治ホールディングスと東京大学の共同研究チームは、乳酸菌「Lactiplantibacillus plantarum OLL2712」に関する新たな成果を報告しました。この研究は、大阪大学と京都大学の専門家との協力のもと、2025年の日本乳酸菌学会大会で発表されることが決まっています。
研究の背景
OLL2712株は、健康に寄与する特性を持つ乳酸菌として知られており、具体的には慢性炎症を抑えることで糖質や脂質の代謝を改善する効果があります。この研究の目的は、その健康効果を支える具体的なメカニズムを明らかにすることでした。特に、免疫細胞からの抗炎症性物質であるインターロイキン-10(IL-10)の産生を誘導する過程に焦点が当てられました。
研究成果
研究チームは、また、特定の受容体TLR2とMincleがOLL2712株の刺激に関与し、IL-10の産生を誘導することを発見しました。具体的には、OLL2712株が樹状細胞に作用し、Toll様受容体2(TLR2)によって認識され、そこからMincleが活性化されることでIL-10の産生が促されるメカニズムが解明されました。
具体的な発見
1.
TLR2とMincleの共役: 研究によると、TLR2が働くことでMincleが誘導され、これらの受容体が協調してIL-10の産生に寄与します。
2.
腸内フローラとの関係: OLL2712株の摂取によって腸内のフローラに対するポジティブな影響も報告されています。
3.
商品開発への応用: 明治はこの研究を基に、より効果的な健康食品やサプリメントの開発を計画しています。
この研究結果をもとに、新しい商品や健康維持に効果的なサポート方法が生まれることが期待されています。今後の研究が進む中で、OLL2712株に基づく新たな健康維持戦略が注目されていくことでしょう。
おわりに
今回の研究は、免疫系の保護における乳酸菌の重要性を再認識させるものとなりました。今後、OLL2712株の効果を最大限に引き出す方法や、さらなる応用に向けた研究が進むことを期待しています。