AIと脳波で音楽体験
2025-09-09 10:29:02

AIと脳波を活用した音楽がノスタルジアと記憶を呼び覚ます

VIEが進めるノスタルジア音楽推薦システムの研究



VIE株式会社が発表した研究は、脳波を用いて個々の感情や記憶を喚起する音楽を推薦する「Nostalgia Brain-Music Interface(N-BMI)」を中心に展開されています。このシステムは、特に高齢者と若年者において、ノスタルジアの感情や記憶の鮮明性、そしてウェルビーイングの向上を助ける効果が確認されました。

研究背景と哲学



急速な高齢化が進む中で、心身の健康を維持する方法が求められています。これに関連して、先行研究ではノスタルジアが孤独感を軽減し、自尊心や楽観性を高めることが示唆されています。特に音楽がノスタルジアを引き出す重要な要素とされている一方、個々の好みの曲を特定するのは難しいという課題がありました。

こうした背景から、VIEは脳波のデータと音楽の特徴を組み合わせ、各個人に最も適したノスタルジアを引き起こす音楽を自動で選曲するシステムの開発に踏み切りました。

実験方法と結果



研究では、参加者は自分の好きな懐かしい曲(自選曲)と他の人が選んだ曲(他選曲)の2種類を聴き、それぞれの曲に対する体験を評価しました。結果として、若年者も高齢者も自選の曲を聴いた際に、ノスタルジアの感情、ウェルビーイング、記憶の鮮明さが有意に向上したことが判明しました。特に、高齢者においては脳波データからもその効果が確認されました。

N-BMIの仕組みと技術



N-BMIは、楽曲の特徴を元にノスタルジアを予測するモデルと、脳波パターンを解析し、現在の感情状態を判別するモデルを活用しています。この二つのモデルにより、数千曲の中から最も適した音楽を選び出すアルゴリズムが完成しました。

実験を通じて、選ばれた曲によってノスタルジアの体験が強化され、高齢者では特にその傾向が顕著であることが明らかになりました。

研究の社会実装



N-BMIの研究成果は、ただの理論に終わらず、実際の製品にも応用されています。具体的には「うたメモリー」など、認知症予防や高齢者の心理的ウェルビーイングを支援する新たなサービスが展開されています。

今後、VIEはさらなる研究開発を進め、ニューロテクノロジーの社会実装を図っていく計画です。共同研究やパートナーシップにも意欲的で、興味がある企業や団体との連携を歓迎しています。

精度の高い音楽推薦を通じて、ノスタルジアのような感情に新たな価値を見出すこのシステムは、今後の高齢社会において大きな貢献を果たすことが期待されています。


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