佐賀県唐津市の中学生が海洋プラスチックを資源に
2025年10月16日、佐賀県唐津市の佐志中学校にて、特定非営利活動法人唐津Farm&Foodによる特別授業が実施されました。この授業のテーマは「海洋プラスチックごみ」。3年生の生徒たちは、海洋プラスチック問題の重要性を学びながら、ペットボトルキャップを利用したキーホルダー作りに挑戦しました。これにより、捨てられるはずのプラスチックが、新たな形として生まれ変わる瞬間を体験しました。
背景:海洋プラスチック問題への取り組み
海の近くに位置する佐志中学校では、ビーチクリーンや海洋ごみに関する学びを1年次から行ってきました。3年間の学びの集大成として、今回の授業では「自分たちの地域から行動を変える」というメッセージが強調されました。唐津Farm&Foodでは、対馬での海洋プラスチックの現状や、大阪・関西万博「対馬WEEK」での活動についても触れられ、「みんなで少しずつ使い捨てを減らすこと」の重要性が生徒たちに伝えられました。
実践:ペットボトルキャップのアップサイクル
授業の午後には、実践的なワークショップが行われました。生徒たちは自らデザインした“船”のデザインを活かし、ペットボトルキャップを溶かして射出成形を行いました。教員や校長も参加し、キャップが新しい形を持つ瞬間に歓声が上がりました。この体験を通じて、「海の環境を守ることが、小さなモノづくりから始まる」ことを感じた生徒たち。その時間は、笑顔と驚きに囲まながら、仲間たちと共有されました。
表現:未来の海に向けた願い
授業の締めくくりには金沢美術工芸大学が制作したアニメーション『おとーしゃ』を鑑賞。海と人とのつながりを深く感じさせる作品に触れた後、生徒たちはデジタル波絵馬に「未来の海への願い」を記入しました。この作品作りを通じて、彼らの学びと想いが結びつき、私たちの海を守る力が育まれたのです。
おとーしゃのサイトもぜひご覧ください。
地域でのプラスチック問題への継続的取り組み
唐津Farm&Foodでは、海洋プラスチック問題への挑戦を地域から広げ、持続可能な社会の実現を目指しています。今後も、県内外の学校や自治体、企業と連携し、アップサイクルや発生源削減に関するワークショップや講話を展開していく計画です。彼らの活動は、単なる教育に留まらず、地域全体の意識を変える力を持っています。私たち一人ひとりの小さな行動が、より良い未来につながることを信じ、取り組みを進めていきます。
おわりに
海洋プラスチック問題は、私たち全員が向き合うべき課題です。この美しい海を未来の世代に手渡すために、地域からアクションを起こしていくことが重要です。一緒にプラスチックごみの発生を抑え、海への流出を防ぎ、持続可能な社会の実現に向けた努力を続けていきましょう。