ネットスーパーの配達業務のAI活用による効率化実証実験が成功

株式会社フランチャイズアドバンテージ（東京都港区）が、スーパーサンシ株式会社（三重県鈴鹿市）と協力して実施したネットスーパーの配送業務効率化に向けた実証実験が注目を集めています。この実証は、2024年6月から2025年3月までの約10か月かけて行われ、成功裏に終了しました。今回の取り組みは、インターネットの普及や多様化する生活スタイルに伴い、増大するネットスーパーの需要に応えるための技術進化の一環です。

実証実験の背景

ネットスーパーの需要が高まる中で、大きな課題となっているのが配達の効率化です。配送業務は従来、ベテランの経験によって支えられてきましたが、近年の労働力不足や多様な働き手のニーズに応えるためには、効率的で標準化された業務の仕組みが求められています。フランチャイズアドバンテージは、小売業を含むサービス業界に対して豊富なコンサルティング経験を持つ企業であり、今回の実証実験によりネットスーパーの配送業務の改善を目指しました。

実証実験の内容

実証実験は2つのフェーズに分かれ、システムの効果を検証しました。

フェーズ1：配送ドライバー向けアプリの開発（2024年6月～10月）

このフェーズでは、配送ドライバー向けの動態管理アプリと配送支援アプリの開発が行われました。これにより、ドライバーが効率的に配達業務を行えるよう、見える化や支援機能が提供されました。

フェーズ2：配車担当者向けアプリの開発（2024年11月～2025年3月）

次のフェーズでは、配車担当者向けに最適化AI配車アプリとeトレスキル体系化アプリを開発しました。このアプリケーションによって、経験の浅い担当者でも効率的に配車業務を行うことが可能となることを目指しました。

実証結果

実証実験の結果、以下のような成果が確認されました。

- 1日あたりの総配送距離が751㎞から626㎞に減少（従来比17％減）
- 1日あたりの総走行時間が2809分から2621分に削減（従来比7％減）
- ベテラン担当者のスキルをシステム化し、業務の標準化が進展

これらの結果から、配送業務の効率化が確実に進み、即座に実績に反映されました。なお、実証実験は株式会社デンソーとその関連会社の協力を得て行われました。

今後の取り組み

成果を受けて、フランチャイズアドバンテージは今後もAI活用やデジタル化の進展を通じ、サービス業界全体の業務改善を追求します。人材が持つ知識を活用し、配送業務の標準化と効率化を図ることで、顧客に対してより良いサービスを提供し続けることを目指します。これにより、働き手の負担軽減や新たな顧客サービスの向上を実現していくでしょう。