東京ビッグサイトでの防災ビジネスの新展開
2025年10月22日から23日、東京ビッグサイトで開催される「レジャー&サービス産業展2025」において、株式会社益田建設が移設・再利用可能な木造モバイルユニット「WOODPOD」の実機を展示します。この展示は、平常時にレジャーや宿泊施設として活用し、災害時には応急仮設住宅などとして転用できる「社会的備蓄」のビジネスモデルを実証するものです。
社会的備蓄とは?
「社会的備蓄」は、日本モバイル建築協会が提唱する新たな取り組みで、平常時には地域資源として利用し、災害発生時には被災地の支援に活用する仕組みです。これまで、同協会は自治体向けに公共施設としての導入を進めてきました。例えば、令和6年の能登半島地震では、モバイル建築が様々な復興支援施設として活用されました。現在、4つの県と災害協定を結び、地域の防災体制の強化に貢献しています。
特別な戦略的意味を持つ出展
益田建設が「レジャー&サービス産業展」に出展する背景には、民間ビジネスとしての成立を示す意図があります。地域工務店が「社会的備蓄」にも参入できるような市場環境を作り出し、その結果、地域雇用の創出や地域産業の振興を目指しています。この取り組みにより、地方創生の視点からも期待されています。
WOODPODが提供する3つの価値
1. 事業価値
最短45日での迅速な設置が可能で、工場で製造されたユニットはトラックでの輸送後、クレーンでの簡単な据付が行えます。また、移設・再利用が可能であり、様々なニーズに柔軟に応じることができます。シングルユニットからファミリータイプまで、用途に応じて拡張することができます。
2. 社会価値
災害時には迅速に応急仮設住宅として転用可能です。支援者向け宿泊所や仮設店舗としても活用できるため、地域社会の防災力を高めます。地方自治体との防災協定を通じた社会的評価の向上にも寄与しています。地域のCSR活動としても重要な役割を果たします。
3. 環境価値
高断熱・高耐震の木造軸組工法を採用し、快適な居住空間を提供します。解体や移設が容易なため、建設廃棄物の削減にも貢献し、地域の木材を活用することで、林業振興にもつながります。
実機展示で体験できる上質空間
展示会では、シングルホテルタイプのWOODPODが実際に体験できる機会が設けられています。高級感のある木質内装や快適な居住性能、簡単な設置方法を目の当たりにすることができます。自然環境にも都市環境にも調和するモダンなデザインが魅力です。
防災ビジネスの新しい形
これまで応急仮設住宅は大手企業が中心でしたが、WOODPODならば地域工務店でも製造・施工が可能です。このことは地域の雇用創出や、地域材の活用促進に寄与し、地域に根付いた防災体制を築くことにつながります。展示会での「レジャー・ホテル事業者からの需要」を可視化することで、全国の地域工務店が防災ビジネスに参入しやすい環境を整えることが期待されます。
結論
一般社団法人日本モバイル建築協会は、「社会的備蓄」の仕組みを推進し続けており、今後もメリットを広めていく重要な役割を担っています。2025年の展示会での実機展示を通じて、今後の防災ビジネスにおける新たな可能性を探っていきます。来場者は「WOODPOD」の実機展示ブースを訪れることで、収益を生み出しながら地域防災に貢献する新しい価値創造の姿を直接体感することができるでしょう。