昼休憩の仮眠に関する管理職と非管理職の意識
ビジネスシーンでは、効率的な時間管理が求められる一方、適切な休憩は労働のパフォーマンスを向上させる重要な要素です。MENTAGRAPH株式会社が実施した新しい調査によると、管理職と非管理職の間で昼休憩中の仮眠に対する意識には大きな違いがあることが分かりました。
調査概要と参加者
この調査は、全国から22歳から65歳までのビジネスパーソン1,800名、うち管理職900名、非管理職900名を対象に行われました。主に、仕事中の休憩がどれだけ取りやすいか、残業時間に対する考え方についての実態が把握されました。
休憩の取りやすさ
調査結果によれば、全体の57.6%が仕事時間中の休憩に「満足」と回答しています。管理職58.0%、非管理職57.1%と、役職による大きな乖離はありませんでしたが、休憩が取りづらい理由については明確な傾向が見られました。
全体の65.1%が「休憩を取る時間がない」と回答し、業務の忙しさが主な理由とされています。特に非管理職では、周囲の目が気になることや、上司が休んでいないために休みにくいと感じる人が多く、これが休憩取得の壁となっていることが示されました。
職場文化と見られ方
興味深いのは、「役職に関係なく休憩は平等に取るべき」という考えには70.6%が賛同している一方で、「上司は部下の前で休むべきではない」といった意識が少なからず存在する点です。これは、職場文化がどのように休憩行動を制限しているかを示す重要な要素です。要するに、価値観としては休むことの平等性が広がっているのにもかかわらず、実際の行動におけるブレーキが働く状況が見受けられます。
昼休憩中の行動許容度
調査では、昼休憩中に許容される行動として「スマホをいじる」が最も高い84.3%の許容度を示しました。次いで、「会社の外に出る」80.9%や「ネットサーフィン」77.6%も高い数値が見られました。仮眠についても73.0%が許容すると回答しましたが、管理職の70.0%に対し非管理職は76.0%と高い許容度を示しました。ここでも、非管理職がより実利的な観点から仮眠を受け入れていることが際立っています。
残業時間に対する認識の違い
残業に関する調査結果も注目に値します。「多い」と感じる残業時間の基準が管理職と非管理職では明確に異なることが分かりました。非管理職は20時間からを「多い」とする人が最も多く、これに対し管理職は40時間以上まで許容する傾向が強いです。このギャップは、職場における労働の認識や文化がどのように影響しているかを示す一因とも言えます。
結論
この調査を通じて見えてきた管理職と非管理職の休憩および残業に関する意識の違いは、職場文化の改善に向けた重要な手掛かりです。企業としては、これらの認識ギャップを埋める取り組みが、従業員の満足度や業務効率を高める一助となることが期待されます。休みやすい環境を整えることで、自然と心の充実感を高める文化を育てていく必要があるでしょう。