アフリカと地方をつなぐ新たな挑戦
2025年8月、横浜ベイホテル東急では、独立行政法人国際協力機構(JICA)が主催する第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のテーマ別イベント「JICAアフリカ・ホームタウンサミット」が開催されました。このイベントの目的は、アフリカ諸国と日本の地方自治体の関係を深めることにあります。
地方創生と国際協力の融合
JICAは、これまでの事業を通して築かれてきたアフリカへの支援をさらに拡充させ、地方創生と持続可能な発展を結びつけるための施策を進めています。今回のイベントでは、特に地方自治体がどのようにアフリカと連携し、地域の発展に寄与できるかを探求しました。
ホームタウンの認定
JICAは新たに、愛媛県今治市、千葉県木更津市、新潟県三条市、山形県長井市の4つの地方自治体を「JICAアフリカ・ホームタウン」として認定しました。これは、アフリカとの友好交流を深めるための新たなモデルケースとなることを目指しています。
今治市とモザンビーク、木更津市とナイジェリア、三条市とガーナ、長井市とタンザニアの関係性が強化される中で、各市の市長は協力の可能性について意見を交わしました。長井市の市長は、アフリカへの青年の交流を促進させることで地域モデルを構築していく考えを示しました。
開会挨拶と期待の声
イベントの冒頭では、JICAの副理事長が「この初の試みは、双方の共創をさらに促進し、地方創生にもつながる」と話し、互いの学び合いの場としての重要性が強調されました。また、在日ナイジェリア大使館の代理大使も「人と人とのつながりが信頼を強め、コミュニティの広がりを生む」と今回の取り組みに期待を寄せました。
パネルディスカッションの内容
パネルディスカッションには、ホームタウンに認定された地方自治体の市長や専門家が登壇しました。議論の中では、アフリカとの良好な関係構築を目的とした事例が紹介され、地域住民との交流がどのように双方にとっての利益となるかが語られました。
特に、木更津市の市長は、ナイジェリアの人々とともに日本式のアスリート精神を教えるカリキュラムを計画していることを説明しました。また、三条市では学生がアフリカでの協力活動を通じて、農業分野でのノウハウを共有する取り組みを行っています。
慶応義塾大学の視点
慶応義塾大学の教授は、「日本のアフリカ支援は『for』ではなく『with』の精神で進められてきた」と指摘し、今後の国際協力におけるつながりの重要性を述べました。これは日本がアフリカと共に未来を創るための重要な土台となる意義深い言葉です。
結論と今後の展望
今回の取り組みは、日本の地方自治体がアフリカと協力し、共に発展していくための第一歩であり、地域の特性を生かした国際交流の形とも言えます。JICAは今後もこの活動を通じて、地方創生と国際協力の双方に寄与していく方針を示しています。地域の未来を照らすこの試みが、今後どのような成果をもたらすのか、期待が高まります。