次世代型物流システム「T-Carry system」がスタート!
株式会社椿本チエインとKDDIの合弁会社である「株式会社Nexa Ware」が、鈴与の川越物流センターに「次世代型物流システム」を導入し、本格的な稼働を開始しました。このシステムは、物流の効率化や生産性向上を目指しており、業界の注目を集めています。
物流の新たな仕組み
新しい物流システムには、小型AGV(自動搬送車)を使った「T-Carry system」が採用されています。このシステムは、入荷した商品を迅速に出荷先に仕分けることができる通過型物流センターの構築を目指しており、特に複雑な仕分け処理を効率化します。
システムに組み込まれているデータ分析ツール「Nexa Warehouse-Optimizer」は、物流センター内の作業負荷を可視化し、作業員の適切な配置を提案することで、作業の無駄を省きます。これにより、鈴与の川越物流センターでは、仕分け処理量が20%向上し、作業者の負担も軽減されたと報告されています。
背景と目的
鈴与川越物流センターは、雑貨店舗向けの物流センターとして機能しており、多くの品目を扱っています。そのため、商品点数が多様であり、サイズや形状の異なる商品を効率的に管理する必要がありました。これまでは物量の変動が大きく、繁忙期には作業者に過度の負担がかかっていました。
次世代型物流システムの導入は、これらの課題を解決するための取り組みであり、業務の柔軟性を高めることが期待されています。繁忙時においても、小型AGVの稼働台数を増やすことで、迅速に対応が可能です。
主な特長
1. 高度な自動化
T-Carry systemは、入荷商品のバーコードを読み取り、小型AGV80台が自動的に出荷先に商品を運搬します。これにより、作業者が商品を取りに行く手間や、無駄な移動が大幅に削減され、効率的かつ迅速な作業が可能になります。
2. 柔軟な人員配置
Nexa Warehouse-Optimizerによるデータ分析は、ネック工程や作業者の動線、入荷時間を解析し、作業の効率性を高めます。また、習熟度に応じた作業者の配置を行うことで、物流センター全体の作業効率の平準化が実現されます。
3. 課題解決を目指して
このシステムは、物流業界が抱える2024年問題や労働人口の不足といった課題に対しても、効果的な解決策を提供します。物流センターでの作業効率裏付けにより、持続可能な物流の実現に向けた支援を行います。
今後の展望
今後、Nexa Wareは、同システムのデータ活用をさらに進め、「持続可能な物流」の実現に向けて邁進していきます。業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中で、多様なメーカーや機器に対応したベンダーフリーな物流倉庫自動化ソリューションが期待されており、社内外のニーズに応えることで、さらなる事業の拡大を図るとしています。
新たに稼働した次世代型物流システムは、今後の物流業界における一つのモデルケースとして、注目され続けるでしょう。こうした取り組みが、地域経済や社会全体にもたらす影響についても、引き続き注目していきたいと思います。