人工衛星ライドシェアビジネス、米LOFT ORBITALが資金調達を成功

人工衛星ライドシェアビジネスの未来を切り開く

近年、宇宙ビジネスは急速に成長を遂げています。特に、人工衛星の打ち上げに関するライドシェアビジネスは、コスト効率の良さから多くの企業や機関に注目されています。この分野で特に注目を浴びているのが、米国の企業LOFT ORBITAL SOLUTIONS INC.（以下、LO社）です。LO社は、2023年に1億7千万ドルの資金調達を完了し、その主導権を握ることに成功しました。

LOFT ORBITALの資金調達の概要

LO社が実施したシリーズCラウンドの資金調達には、グローバルな資産運用会社Tikehau Capital、サンフランシスコのAxial Partners、シンガポールのTemasekなどが参加しました。このラウンドで調達した資金は、人工衛星の運用やAIを活用した宇宙観測データのリアルタイムサービスの開発に充当される予定です。

LO社は、設立以来NASA、Microsoft、米国の宇宙軍、さらには欧州宇宙機関（ESA）といった著名な顧客と取引を行い、累計で30機以上、5億ドルを超える受注を獲得しています。これにより、LO社は宇宙ビジネスのリーダーとしての地位を確立しています。

人工衛星ライドシェアとは

ライドシェアビジネスとは、複数の顧客が一つのロケットに搭載された人工衛星を共有して打ち上げる形態です。従来のカスタムメイド型の打ち上げ方法とは異なり、LO社は標準化された小型衛星を使用しています。これにより、迅速かつ低コストでの打ち上げが実現され、より多くの企業や機関が宇宙利用を可能にしています。

LO社のビジネスモデルは、打ち上げロケットと人工衛星の手配から運用に至るまでを一元的に提供することです。また、宇宙空間利用の民主化・効率化を推進し、新たな宇宙産業の展開を目指しています。これにより、企業は短期間で必要な宇宙データを得ることができるようになり、意思決定のスピードが飛躍的に向上します。

今後の展望

マーキュリアホールディングスは、LO社にシードラウンドで投資を行っており、今後もその発展に期待を寄せています。LO社が提供する人工衛星を利用したデータシェアリング事業が進化することで、人工衛星そのものがオルタナティブファンドの投資対象として位置づけられる可能性は非常に高いと考えられます。5年後には、今はまだ考えられないような姿が見えてくるかもしれません。

LOFT ORBITAL SOLUTIONSの詳細

LO社は2017年にサンフランシスコで設立され、航空宇宙分野での長年の経験を活かしたチームによって運営されています。公式ウェブサイト（LOFT ORBITAL）では、同社のサービスやビジョンについてさらに詳しく知ることができます。マーキュリアホールディングスは、日本国内におけるベンチャーキャピタルの重要な役割を果たしており、宇宙ビジネスの動向を見守っています。これからの宇宙利用がどのように発展していくのか、引き続き注視していく必要があります。