フェーズフリーロボットの研究開発が始動
自然災害のリスクが高まる昨今、安全で迅速な支援体制の構築が求められています。このニーズに応えるため、早稲田大学と三菱電機、清水建設は「フェーズフリーロボット」の研究開発を共同で進めています。このロボットは、平常時と非常時の双方で利用できることから、その社会実装は大きな期待が寄せられています。
背景と課題
近年、地球温暖化が進む中で、集中豪雨や土砂災害の発生頻度が増加しています。特に日本は地震活動が活発な地域であり、マグニチュード6以上の大地震が約20%の頻度で発生しています。こうした自然災害に対する効果的な支援体制が急務となっており、自動化とロボティクスの活用が不可欠です。
現状、非常時の対応に特化したロボットは存在しますが、平常時にも利用できる「フェーズフリー」な技術の導入はまだ十分とは言えません。この点を改善し、日常生活での活用を促進することが、災害発生時の即応体制に寄与することになります。
フェーズフリーロボットの概要
このプロジェクトでは、2027年度末までに、様々な場面で適用可能なフェーズフリーロボットを開発することを目指しています。具体的には、製造業、物流、建設、介護福祉などの日常業務に役立てる一方、災害時には被災者の検知、救援物資の配布、巡回、清掃など、緊急性の高い作業に転用できる機能を持たせる予定です。
さらに、プロジェクトの途中段階でも研究成果を活用し、部分的に社会での実装が可能になるよう、継続的な研究と検証が行われる予定です。
推進体制
本プロジェクトは、早稲田大学、三菱電機、清水建設の連携により推進されます。早稲田大学は、ハードウェアとAIに関する要素技術の研究が担当され、三菱電機はその技術を社会実装へと結び付けます。そして、清水建設が研究開発の統括を行います。
代表研究者の声
この研究開発の代表者である早稲田大学の菅野重樹教授は、過去のプロジェクトで得られた成果を活かし、さらに高度なロボット開発を目指しています。「被災地支援で活用されるロボットの実現に貢献したい」と強い意欲を示しています。
まとめ
自然災害に備えるための新たな技術、フェーズフリーロボットの研究開発は、多くの期待が寄せられています。平常時でも活用できるその特性は、社会全体の安全性を向上させることでしょう。今後も進展が楽しみなプロジェクトです。