ナウキャストが切り開く新たな地平『Organic Data Lab』の発足
2023年10月、株式会社ナウキャスト(本社:東京都千代田区)は、オーガニックデータ専門の研究開発組織「Organic Data Lab」を立ち上げました。このラボでは、創業者の渡辺努氏がラボ長に就任し、データ活用の新たな可能性を探索していきます。彼の目指すビジョンについて詳しく見ていきましょう。
オーガニックデータとは?
オーガニックデータとは、企業が日々の業務を通じて自発的に生成されたデータであり、政府の統計データ(デザインデータ)とは対照的に形成されます。この「雑草」のようなオーガニックデータは、独自の価値を持ち、経済やマーケットの動向を把握するための強力なツールとなります。しかし、利用に際してはさまざまな障害も存在します。
『Organic Data Lab』の発足背景
近年、データの活用が進む中で、多くの企業が保有するデータの潜在能力に注目が集まっています。ナウキャストは、これまでに公的統計では掴めなかった市場の動向を、POSデータやクレジットカード決済データなどのオルタナティブデータを活用して把握してきました。しかし、自社のデータをどう活用すべきか悩む企業が多いのも事実です。
この問題を解決するために、ナウキャストは独自のオーガニックデータを持つ企業の研究開発を後押しする目的で、Organic Data Labを設立しました。このラボでは、データ提供企業と連携し、実証実験や共同研究を進め、革新的なソリューションの開発を目指します。
短期的な目標と長期的なビジョン
短期的には、実証実験を通じて得られた知見を活用し、新サービスの創出に取り組む一方で、中長期的には得られた知識(知的財産)を活用した社会実装や事業化を進める計画です。これにより、国内外の企業や金融機関、自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援していきます。
活動と成果
Organic Data Labでは、企業視点と社会的視点の両方から活動を行います。企業に対しては、人材やデータソース、高度なデータ分析のノウハウを提供し、次世代のデータ活用につながるリサーチを行います。社会的視点では、オルタナティブデータと経済学の交差点において、公開可能な研究成果を創出し、産学連携の新たなモデルを構築します。
渡辺努ラボ長からのメッセージ
渡辺氏は、「オーガニックデータは価値が潜んでいるが、その活用には高いハードルがある」と述べ、ラボの目的は多様なデータを集め、有効な情報を抽出する手法の開発にあると強調しました。彼が目指すのは、オーガニックデータの可能性を引き出し、実社会に役立てることです。これにより、企業や金融機関、自治体などがデータを有効に活用できるよう働きかけていく計画です。
未来に向けた戦略
今後もナウキャストは、データ解析技術や生成AIを駆使し、産業界と学術界の架け橋となるプラットフォームとして成長を続けていくとしています。これにより、より良い社会の実現に向けた志をもって、業界をリードしていくことでしょう。
結び
ナウキャストの「Organic Data Lab」は、データの活用が進む中で新たな挑戦をする場となります。彼らの取り組みが、どのように社会に貢献し、ビジネスに革新をもたらすのか、今後の動向に注目が集まります。