海の森の今を守り育むシンポジウム
2025年1月25日(土)に開催される「海の森の今」シンポジウムが、日本科学未来館で行われます。このシンポジウムは、環境保全活動の重要性を広めるために、多くの漁業関係者や地域社会が一堂に集まる貴重な機会です。
地域協創による藻場再生の取り組み
水産庁が主催するこのシンポジウムでは、地域との連携を重視した漁業の事例が紹介されます。日本沿岸の海草や海藻に関する植生再生がテーマとなり、「海の森」と称される藻場の重要性が語られます。藻場は魚の産卵場や幼魚の育成の場となり、さらには水質浄化など多様な役割を果たしているとされています。しかしながら、経済成長に伴う埋め立てや環境の変化によって、藻場は減少の一途をたどっています。
今年度のシンポジウムでは、パルシステムと提携する漁業協同組合をはじめ、全国で藻場再生に取り組む団体による報告が行われます。
パルシステムの地域連携活動
シンポジウムにおいて、パルシステムが紹介するのは、岡山県の邑久町漁業協同組合や長崎県の漁業協同組合連合会、沖縄県の恩納村漁業協同組合との連携です。これらの団体は、各地域での藻場の再生を目指し、具体的な活動を行っています。
邑久町漁協では2013年から藻場再生を開始し、牡蠣殻を利用した浄化活動やリサイクルを促進する取り組みが進められています。このような取り組みは、パルシステムと他の協同組合の連携により、資源を循環させる新たなモデルケースとなっています。
また、長崎県漁業協同組合連合会では、藻場を食害する生物を捕獲し、資源として活用しています。特に、ウニやアイゴが藻場を食害する問題が顕在化しており、その対策が急務となっています。
沖縄の恩納村漁業協同組合でも、サンゴの白化予防に向けた里海づくりを進めています。農業と漁業の連携により、海の健康を保つ取り組みを強化しています。
魚の魅力を伝える持続可能な活動
パルシステムは、全国の漁業者と連携し、水産品の利用促進や活動内容の紹介を行っています。役職員や利用者が実際に現地を訪問し、アマモ播種やサンゴの苗づくりを体験することで、より具体的な理解を深めています。これらの活動は消費者への啓発にもつながり、持続可能な水産業を支える基盤を築いています。
シンポジウムの詳細
シンポジウムは定員300名の事前登録制で行われ、参加費は無料です。関心のある方は事前に申し込みを行ってください。また、当日はYouTubeによるライブ配信も行われるため、直接参加できない方も活動を知るチャンスがあります。
私たちの生活と深く結びつく水産業の未来を考えるこの機会、ぜひご参加ください。未来の「海の森」を守るための取り組みを共に育んでいきましょう。