リモートワークの導入が生む退職意向の変化
リモートワークが普及した現代、多くの企業がテレワークを導入していますが、これが従業員の退職意向にどのような影響を与えているのでしょうか。株式会社LASSICが運営する「テレワーク・リモートワーク総合研究所」では、全国の20歳から65歳の男女を対象に、リモートワークによって退職を思いとどまった理由についての調査を実施しました。調査結果からは、リモートワークがもたらす多様なメリットが見えてきました。
退職を思いとどまる最大の理由
調査の結果、リモートワークにより退職を思いとどまった最大の理由として挙げられたのは「通勤時間がないこと」でした。49.8%の回答者のうち、27.7%がこの理由を選んでおり、通勤の負担が大きなストレスとなっていることがわかります。時間を有効に使えることが大きな魅力となっているようです。
また「飲み会がない」「MTG以外で顔を合わせなくて済む」という理由も少なからず影響を与えていることが明らかになりました。対面でのコミュニケーションのストレスが軽減されることは、リモートワークの大きなメリットと言えます。
性別による違い
リモートワークを理由に退職を思いとどまった理由は性別でも異なることが確認されました。女性の場合、「長時間人に会うと疲れる」といった意見が多く、対人ストレスの軽減が重要な要素となっています。一方、男性は「上司が帰らないから残業が不要になった」との回答があり、業務効率や拘束感の緩和に重きを置いているようです。これは、リモートワークがもたらす働き方の変化を反映しています。
年代による違い
年代別に見ると、特に興味深い結果が得られました。20代の回答者は「朝ぎりぎりまで寝ていられるから」と通勤の苦痛を避ける理由を挙げる傾向が強く、他の世代と比べて「睡眠時間」の重要性が高まっていることが伺えます。また、30代と40代では「子育てとの両立ができる」という意見が上位にあり、家庭との時間を重視した考え方が見て取れます。
特に60代以上では、69.9%が「特にない」と答えており、リモートワークによる退職意向の変化が少ないことがわかります。世代が上がるごとにこの傾向は顕著となり、リモートワークの働きかけが薄れていることは注目に値します。
今後の企業に求められる対応
調査結果を踏まえ、企業はリモートワークに対する取り組みを見直す必要があるでしょう。特に「通勤時間がないこと」が全世代共通の恩恵として受け入れられているということは、企業が出社日数を増やす際に、通勤のデメリットを軽減する施策を充実させる必要があることを示唆しています。「通勤時間が苦痛」「出社日数の増加に伴うデメリット」を取り除く工夫が、今後の企業戦略の鍵となることでしょう。
テレリモ総研は今後も、リモートワークに関する意識調査を継続的に行い、その結果を社会に還元していきます。