花粉症による経済損失額は1日約2,320億円！労働力低下の理由と対策

花粉症による経済損失額は驚きの約2,320億円

パナソニックが発表したデータによると、2025年の花粉症が引き起こす労働力低下による経済損失額は、なんと1日あたり約2,320億円にも達すると推計されています。この数値は、2020年に行った「社会人の花粉症に関する調査」と最新の労働統計に基づいて算出されたものです。調査の結果、花粉症の症状が仕事に影響していると感じている社会人は79%にのぼり、平均で約2.8時間もパフォーマンスが低下していると回答しました。

専門家による花粉症の影響と対策

耳鼻科医の坂田英明氏と医師・睡眠専門家の坪田聡氏が、花粉症が集中力や睡眠に与える影響と、具体的な対策について詳しく解説しています。

坂田氏は、花粉症の主な症状である鼻水や鼻づまりが、どのように集中力を低下させるか説明しています。鼻づまりが続くことで口呼吸になり、結果的に頭痛や睡眠にまで影響が及ぶことがあります。このように、花粉症は生活全体のリズムに影響を与え、仕事のパフォーマンスも著しく低下させる要因といえるでしょう。

坪田氏は、睡眠と花粉症の密接な関係について言及しています。睡眠質が悪くなることで、昼間の眠気が増し、免疫系にも悪影響を及ぼします。睡眠時間が不足すると免疫が適切に機能しなくなり、花粉症の症状がさらに悪化するという負のスパイラルに陥ることがあるため、睡眠の質を保つことが重要となります。

花粉症対策、いますぐ始める4つの方法

住生活ジャーナリストの藤原千秋氏が推奨する、即実践できる花粉対策をご紹介します。

1. 外からの花粉を持ち込まない
玄関で衣服についている花粉をしっかり除去しましょう。使用する道具にはハンディクリーナーやブラシが便利です。

2. 洗濯物を外に干さない
花粉の季節には部屋干しを選び、乾燥機や浴室乾燥機を活用しましょう。これにより洗濯物に花粉が付着するのを防ぎます。

3. 換気は窓を10cm程度開ける
花粉の流入を最小限に抑えるためには、窓の開け方に工夫が必要です。実験によると、窓を少し開けてレースカーテンを閉めることで、約4分の1の花粉を室内に入れないことができます。

4. 定期的な掃除
掃除機を使用する際には、静かに動かし、拭き掃除を先に行いましょう。加湿器を使って花粉を湿らせてから掃除するのも効果的です。

エアコンと空気清浄機の併用テクニック

花粉の時期に部屋の空気をクリーンに保つためには、エアコンと空気清浄機の併用をおすすめします。エアコンの風向きを適切に設定することで、流れをうまく利用でき、より効果的に花粉を取り除きます。

冬は風向きを下に設定してエアコンの反対側に空気清浄機を置き、夏は風向きを上にして清浄機をエアコンの真下に配置すると良いでしょう。これにより部屋全体の空気が循環し、快適な環境が保たれます。