医師が選ぶ病院は「クチコミ」で決まる?
最近、医師を対象にした調査結果が明らかになりました。この調査は、医師の勤務先や受診先としての病院選びでどのような基準を持つのか、またクチコミがどの程度影響を与えているのかを分析しています。実施したのは株式会社メディウェルで、1,662名の医師からの回答を得ています。医療界では「クチコミ」の重要性が増す中、この調査での結果は興味深いものとなっています。
調査から見えた、クチコミの影響
調査によると、医師の約6割が勤務先を選ぶ際にクチコミを参考にしており、受診先選びではその割合がさらに高まり、約7割に達します。つまり、医師たちが病院を選ぶ際には、他の医師や知人の意見が強い影響を持っていることが示されています。特に、医師が述べた意見では、インターネットのクチコミよりも身近な人の声を重視する傾向が明らかになりました。
例えば、医師たちは、医院選びの際に「知人」や「医師」からの情報を重視し、約4割がこの方向で意見を答えています。これは、特に緊急時において信頼できる情報源を求める医師たちの姿勢を反映していると言えるでしょう。
医師が重視する病院選びの条件
病院を選ぶ際に重視される条件は、勤務先か受診先かによって異なることも判明しました。勤務先としての選び方では、最も重視される項目は「ワークライフバランス」で、96.4%がこの点を重要視しています。次いで「給与」や「医師やスタッフの体制」などが続きます。
一方で、受診先を選ぶ際の優先順位には「在籍医師の専門性」や「立地」などが挙げられ、医師のキャリアや専門性が大きな影響を与えることが理解できます。いわば、医師としての経験や認識が、病院選びの質を左右しているのです。
自由回答から見える医師の本音
調査結果の中で自由回答も注目すべき部分です。医師たちはクチコミに対して「口コミは絶対に必要」といった肯定的な姿勢を示す一方で、「忖度のない口コミ」を求める声もありました。また、インターネット上の情報に対する不安感もあり、「医療機関の公式な情報には過剰な表現がある」との指摘もなされています。
加えて、実際に病院を訪れてみないと分からないことが多いという意見や、「初めての医院はクチコミを参考にするが、最終的には自分との相性だと思う」といった考えも特徴的です。これらの意見からは、医師が持つ見識が、クチコミを通じて患者や他の医師にどのような影響を与えているのかが浮かび上がります。
まとめ
今回の調査は、医師たちが病院を選ぶプロセスにおけるクチコミの重要性を明確に示しました。今後、ますます情報が溢れる中で、信頼できる情報源を見つけることの意義が問われることになるでしょう。また、医療提供側も、医師や患者の声に真摯に耳を傾け、透明性のある情報発信を行っていく必要があります。医療の質を高めるためには、医師自身が体感した信頼のおける情報をどのように共有していくのかが今後の課題です。
この調査に関する詳細は、以下のリンクからご覧いただけます:
病院のクチコミ、医師はどれくらい参考にする? 及び
医師に選ばれる病院の条件ランキング 。