JCBとマネーフォワードエックスの新たな試み
2024年、株式会社ジェーシービー(JCB)とマネーフォワードエックス株式会社は、金融機関の法人顧客向けに新しいビジネスモデルを共創すべく基本合意契約を締結しました。この共同プロジェクトの中心には、中小企業や個人事業主の資金管理とキャッシュフローの改善を図るためのポータルサイト『Cashmap』が据えられています。
背景にある現状と課題
2024年に入ってから、企業の休業や廃業、解散という形態が増加しており、その数は2016年以降で過去最多を記録しているというデータもあります。興味深いのは、これらの企業の中には、直前期に黒字申告していたものの、急激な損益悪化により経営困難に陥ったケースが多いことです。多くの中小企業が、深刻な人手不足や高騰する原材料費などの新しい経営課題に直面しており、資金繰りや財務の改善に必要な対策を講じる余裕がないのが現状です。
JCBとマネーフォワードエックスは、これまで個々のサービスを通じて企業を支援してきた企業ですが、こうした厳しい状況を鑑みて、業務の効率化や資金繰りの改善を両面からサポートするサービスの必要性を痛感しました。
JCBの取り組み
JCBはこれまで、法人向けクレジットカードや請求書カード払いなど、企業運営を支援するサービスを提供しており、2024年9月には新たに個人事業主向けのクレジットカード『Biz ONE』を発表しました。この新カードにより、中小企業から個人事業主までの幅広い顧客層との接点を築きました。
マネーフォワードエックスの役割
一方、マネーフォワードエックスは中小企業の業務DX(デジタルトランスフォーメーション)を促進する『Mikatano』というサービスをはじめ、金融機関向けのサービスを多数開発しています。このサービスは現在、多くの中小企業に利用されており実績を持っています。
今後の計画と展望
今後、両社は提携先の金融機関に向けて、法人向けサービスの導入提案を進めていく予定です。『Cashmap』を軸に、マネーフォワードのサービスや新たな法人ポータルの構築支援を行うことで、中小企業のニーズに応じたサービスの拡充を目指しています。
『Cashmap』のポイント
『Cashmap』は、複数の金融口座とクレジットカード情報を一元管理できるシステムで、入出金の管理からキャッシュフローの改善までをサポートします。利用者にとっては、シンプルで操作しやすい設計が施されており、経営者にとっての負担を軽減する効果が期待されます。また、2025年にはオンラインレンディングやファクタリングサービスも展開予定で、柔軟な資金管理を可能にします。
まとめ
JCBとマネーフォワードエックスの提携によって、今後さらなる業務支援や資金管理の革新が期待されます。中小企業や個人事業主が直面する多くの課題に対して、両社は新たなソリューションを通じてより良い経営環境を提供することを目指します。今後の展開から目が離せません。