レゴが提唱する「遊びに満ちた都市」を目指す取り組みとは
東京都港区に本社を置くレゴジャパン株式会社は、子どもたちの豊かな遊びの機会を求め、国際連合が定めた「国際遊びの日」(6月11日)に合わせて新たな取り組みを始めています。この取り組みは、日本を含む世界10カ国で実施された調査結果を基にしています。
子どもたちの声を届けるために
この調査は、日本を含むイギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、オーストラリア、チェコ共和国、中国、メキシコ、ポーランドの6〜16歳の子どもとその親、合計20,000人を対象に実施されました。その結果、子どもたちが都市づくりに参加したいという願望を抱いている一方で、大人たちに見過ごされている現状が浮き彫りになりました。
- - 33%の子どもが「都市設計に子どものニーズが考慮されていない」と回答。
- - 36%が自分たちの住む街が車優先で遊び場が不足していると感じています。
このような実態に対して、レゴは子どもたちが自らのアイデアを活かし「遊びに満ちた都市」を実現するためのプロジェクト「Build the Change」を進めています。
遊びの力を再評価する
レゴグループは、「遊び」が都市づくりにおいて重要な役割を果たすと考えています。調査によれば、遊びを通じて子どもたちの心身の発達や家族のつながりが深まることが明らかにされています。実際、親たちも遊びを通じてストレスが軽減され、幸福感が向上すると感じています。これは、遊びが子どもだけでなく、大人にもポジティブな影響を与えることがあるからです。
- - 親や保護者の41%が「遊びがストレスを軽減し、幸福感を高める」と回答。
- - 38%が「遊びによって心身の健康状態が向上する」と実感しています。
これらの結果から、遊びが持つ様々な効果が再評価されています。
日本における遊び場不足の実情
日本では、公共の遊び場が不足しているという認識が広がっています。調査によると、約70%の親が「子どもたちにとって安全でアクセスしやすい遊び場が整備されていない」と感じています。
- - 日本の親のわずか12%が「自分たちの街は子どもに適した設計になっている」と回答。
- - 40%が「子どもと大人が使える無料の屋内・屋外遊び場が必要」と述べています。
これにより、地方自治体や都市計画者にとって、子どもたちの声を反映することの重要性が浮き彫りになってきています。
未来へ向けた道筋
レゴグループは、子どもたちが描く「遊びに満ちた都市」のビジョンを実現するために、様々な活動を展開しています。2025年の大阪・関西万博では、北欧パビリオンにおいて「Build the Change」の一環として子どもたちのアイデアが展示される予定です。このプログラムを通じて、子どもたちが自らの想像力を働かせ、周囲と共に問題解決に取り組む機会を提供します。
また、世界各国では、レゴのプロジェクトに参加した子どもたちが自分たちの都市に求める遊び場を実現するため、そのアイデアを形にしています。具体的な例として、ジップラインのある遊び場や巨大な滑り台など、創造性と遊び心を発揮した提案がなされています。
結論
「国際遊びの日」にちなんだこの取り組みは、ただ遊びの場を提供するだけではなく、子どもたちの発想力や創造力を育てる重要な機会と位置づけられています。レゴグループは、子どもたち、親、地域社会の声を集め、「遊びに満ちた都市」を実現するために、これからも活動を続けていく所存です。遊びを通じて得られる価値は、未来のコミュニティをより良いものへと変える力を秘めているのです。