使用済み紙おむつを活用した新しいオーガニック土の可能性と実験成果
東京都渋谷区に拠点を置く東急建設株式会社は、地域密着型商業施設「青葉台東急スクエア」の屋上で、使用済み紙おむつと昆虫を利用したオーガニック培養土の製造を目指した植物生育実験を行っています。この実験は、彼らの社内新規事業コンテストで採択された「地球動物園」という事業計画に基づいています。
植物育成実験の概要
実験は2024年5月に開始され、2年間の予定で実施されることになっています。実験には、肥料配合比率を変更した19種類のオーガニック培養土が用いられ、緑化植物「クラピア」を植栽しました。このクラピアの植被率を、定期的に測定し、2回の越夏を終える過程でその成長を確認していく計画です。
最近、1回目の越冬が終わった段階で、実験用培養土による植被率が既存の培養土と同等であったことが確認され、今後の展望が期待されます。これにより、使用済み紙おむつから得られた土壌改良資材の可能性が広がることを示しています。
事業化への道
東急建設は2026年度の事業化を見据え、この実証実験の結果を基に、商業施設の屋上緑化や河川・鉄道法面の緑化にも応用を図る計画です。本プロジェクトでは、地域社会との連携を強化し、持続可能な未来の実現を目指しています。
また、東急モールズデベロップメント社もこの計画を支援しており、「廃棄物を活用した緑化事業」というコンセプトに賛同。商業施設の運営を通じて地域の価値を高める取り組みを推進しています。
実験の意義
この実験の意義は、廃棄物を巧みに活用しながら持続的な資源を生み出すことにあります。特に、使用済み紙おむつは国内外で数多く発生し、適切に処理されていない現状が問題視されています。このため、これらの廃棄物を無駄にせず、有用な資源に変える取り組みは、循環型社会の構築に寄与するものです。
地域社会との連携
「地球動物園」プロジェクトは、単なるビジネスモデルにとどまらず、地域社会とも密接に連携しています。青葉台東急スクエアの屋上を実験室として提供することで、地域社会がこの活動に参加し、共に育ち合うことが期待されています。この共同の努力によって、持続可能な社会の実現が一層加速することが期待されます。
未来に向けて
今後もこのプロジェクトは進行中であり、さらなる成果が期待されるところです。実験結果を基にした施策を展開し、持続可能な緑化の実現が目指されます。東急建設および東急モールズデベロップメントは、循環型社会の実現に向け、地域と共に歩んでいく決意を新たにしています。これからの展開に注目が集まります。