JX金属のデジタルトランスフォーメーションへの取り組み
グループ全体でのkintone活用
JX金属株式会社は、国内外で約4,200名の社員がkintoneを活用して業務を効率化し、グループ全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。サイボウズが提供するkintoneは、ノーコード・ローコードの業務アプリ作成ツールで、特に業務改善、ペーパーレス化、そして市民開発文化の醸成に寄与していると評価されています。
この取り組みは、2020年の本社移転にあたりはじまりました。新たなオフィス環境への対応の中で、世界的なパンデミックも重なり、電子化が急務となったのです。特に紙ベースの申請承認プロセスを見直すため、JX金属はkintoneの導入を決定しました。
DX推進の第一歩としての社長決裁フローの電子化
JX金属は、まず社長決裁フローの電子化に取り組みました。このフローのデジタル化は、全社的なDX意識の向上を促進し、次いで押印申請や出張申請、ケータリングの発注、会議室予約など、従来は紙で行っていた様々な業務をkintoneに移行しました。
この結果、約3000件の申請フローで1件あたり2〜3時間の業務削減効果があり、まさに業務効率化の実現が感じられる結果を得ています。特に社長決裁フローの成功事例は、他部署への良い影響を与え、グループ全体のDXに対する意識改革の契機ともなりました。
市民開発文化の醸成と業務の横展開
業務アプリの開発に際しては、各部署にアプリ制作の権限を与え、現場主導での市民開発を促しています。情報システム部門の支援を受けながら、アプリの作成が進むことで、現場同士の相互支援が生まれ、新たな業務アプリが次々と誕生しています。
このような市民開発の文化が根付くことで、一度開発したアプリを他部署へ横展開することも容易になり、さらなる業務効率化に寄与しています。これにより、JX金属内でのアプリ数も増加し続けており、2024年10月にはさらなるDX促進を目指して大規模利用に特化したワイドコースを契約する予定です。
未来に向けた計画と期待
今後、JX金属は「IoT・AI 6ヵ年計画」を策定し、DX人材のリソース増強と育成を重視しています。kintoneはグループ全体での市民開発を後押ししており、生成AIとの連携も視野に入れた環境整備に取り組む方針です。特に、ポータルの拡張やプロセス管理の可視化など、ガバナンスに配慮した機能を実装することに期待が寄せられています。
多様な業務改善に対応したkintoneの活用事例は、他の企業にとっても大いに参考になることでしょう。今後のJX金属のさらなる取り組みから目が離せません。