鉄道建設データのAI活用
2024-12-19 15:43:24

生成AIを活用した鉄道建設データの検索精度向上実験が始動

生成AIを活用した鉄道建設データの検索精度向上実験



SBテクノロジー株式会社(以下、SBT)はこのたび、JR西日本の建設部門の膨大なデータを利用した生成AIの実証実験を開始しました。この取り組みは、主に鉄道建設工事に関するドキュメントの検索精度向上と、若手技術者の技術判断を支援することを目指しています。

背景と目的


JR西日本では、「JR西日本グループデジタル戦略」に基づいて、顧客体験、鉄道システム、従業員体験の再構築を掲げており、その中で膨大なデータの管理と活用が急務となっています。特に、鉄道建設に関わるドキュメントは数多く存在し、これら情報を効果的に検索するための技術が求められていました。

熟練技術者の定年退職が進む中で、組織内の若年層技術者に対して効果的な情報提供ができる仕組みを築くことが急務となっているのです。SBTはこのニーズに応える形で、生成AIを活用した情報検索システムを実証実験として構築しました。

実証実験の概要


実証実験は2023年12月から2024年3月にかけて行われ、約60,000ファイルのデータを対象にしています。具体的には、業務規程、過去の事故情報、施工計画書など、多様なドキュメントを含んでおり、これにRAG(検索拡張生成)技術が適用されました。

検証システムの構築


検証には、Microsoft Azureを用いたクラウド基盤を用い、その中でAzure OpenAI Serviceを利用した生成AIの環境が約1か月で整備されました。こちらのシステムは、個人情報を自動的に削除するセキュリティ対策を盛り込みつつ、約60,000ファイルに対するセキュアなシステムを構築しています。また、プロンプトを入力することで関連情報を迅速に取得・生成する機能が盛り込まれています。

RAG機能の開発と精度検証


RAG技術は、表記ゆれや言い換え表現を考慮することで情報検索の精度を向上させる手法です。実証試験では、生成された回答の関連ドキュメントへのリンクやタイトルタグの自動生成機能も導入され、システムの利便性が高まっております。これらは、常に進化する生成AIの技術を取り入れ、短期間での機能追加や改善が可能なアジャイル開発手法に基づいて実施されました。

検証の結果と今後の展望


実証実験の結果、様々なドキュメントに対して適切な情報分類や、分類に応じた回答生成が行われ、その有用性が確認されました。JR西日本の鉄道DX部長である真嵜弘行氏は、実証実験の成果に対し深い感謝の意を示しており、今後はさらなる連携強化を図る方針です。

今後、得られた知見をもとに、JR西日本の各種業務課題解決に向けた支援が進められます。この取り組みは、鉄道業界だけでなく、他の工事関係者にも貴重なユースケースとして利用されることが期待されています。よって SBテクノロジーは、引き続き最新の生成AI技術を活かし、業界の発展に寄与することを目指します。

まとめ


SBテクノロジーとJR西日本のコラボレーションによる新しい技術の実証実験は、鉄道建設データの効果的な利用方法を模索するもので、今後の展開が注目されます。デジタル戦略の進展とともに、業界全体への影響がどのように現れるのか、期待が膨らみます。


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