京王れーるファンド設立の背景と目的
令和の新たなビジネス領域への挑戦が続く中、Spiral Innovation Partners株式会社(通称SIP)は、京王電鉄株式会社と共同で、80億円規模の新たなコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)ファンド「京王れーるファンド」を2026年2月1日に設立しました。これは、SIPが運営する7つ目のCVCファンドであり、累計運用額は830億円に達しました。
このファンドの設立は、京王電鉄が長年にわたって培ってきたアセットとネットワークを最大限に活用し、スタートアップ企業への投資を通じて新しい価値を生み出すことを目的としています。京王電鉄は、鉄道事業を中心に多角的なビジネスを展開し、地域との共生を重視した「まちづくり」を進めてきました。この背景のもと、SIPとの共創は、新たな可能性を開く手助けをするものです。
設立の目的と意義
もともとSIPは、大企業とスタートアップの共創を支える役割を持ち、業界の構造改革や新規事業の創出を推進するために活動してきました。京王電鉄も同様に、オープンイノベーションプログラム「JISOU」を立ち上げ、社内外のステークホルダーと協力しながら事業を展開しています。これにより得られる成果をさらに拡大するためには、中長期的な資金供給と戦略的な投資が必要不可欠です。
このファンドは京王電鉄のオープンイノベーションに新たな一手を加えるものとして、出資と共創を一体的に行うアプローチを取ります。これによって、スタートアップと京王グループのシナジーを生み出し、地域に新たな価値を提供することを目指しています。
投資方針と重点領域
「京王れーるファンド」では、主にアーリーからミドルステージのスタートアップ企業への投資を行います。重要視するのは短期的な成果だけでなく、企業の成長性や市場の潜在性、京王グループとの中長期的な共創の可能性です。また、投資領域も既存事業に関連したものから新規性の高い分野まで多岐にわたります。具体的には以下の4つのポイントが重点領域として設定されています。
1.
コンテンツ/観光: AR/VR、ゲーム(特にeスポーツ)など、観光分野の新しい形を模索します。
2.
ライフスタイル: ヘルステック、フィンテック、エドテック、D2C、ウェルビーイング等、多角的なライフスタイルを提案。
3.
DX/AI: オペレーション効率化やバックオフィス支援など、デジタルトランスフォーメーションに寄与する企業。
4.
環境: サステナビリティやエネルギー分野に関連するスタートアップ。
京王の独自アセットを活かした共創
本ファンドの最大の特徴は、京王グループが過去に築いてきた地元のリソースを活かして、スタートアップに独自の成長機会を提供する点です。具体的には、「ジバン(地盤)」「カンバン(看板)」「カバン(鞄)」という3つの要素を重視しています。
- - ジバン(地盤): 京王沿線の地域ネットワークを活かし、実証・展開場を提供します。
- - カンバン(看板): 除法やさまざまな社会的信頼を背景に、スタートアップの社会実装を強力に後押しします。
- - カバン(鞄): 採用される資金規模は80億円であり、長期的な投資支援によって共創を支える基盤を整えます。
コメントと展望
SIPのジェネラルパートナー、鎌田和博氏は、「京王電鉄が築いてきたオープンイノベーションの実践をCVCファンドとして進化させることができることを嬉しく思います。共創への意識が社内に根ざしており、すでに複数事例が実現しています。ぜひこのファンドを通じて、スタートアップとの新たな価値創出に取り組んでまいります」とのコメントを寄せています。
今回の「京王れーるファンド」設立は、鉄道業界のみならず、さまざまなビジネスシーンでの新たな共創の可能性を広げる第一歩として位置づけられています。