世界初、ピルバラ地区で実現するアンモニアバンカリングの未来
大阪を拠点にする株式会社商船三井は、2023年に西豪州ピルバラ地域でのクリーンアンモニアバンカリング事業に参画するため、NH3 Clean Energy LimitedとOceania Marine Energyとの間で覚書を締結しました。このバンカリングハブ構想は、世界初の試みであり、持続可能な海運の新たなステップとなります。
ピルバラ地区の重要性
ピルバラ地域は、世界最大の鉄鉱石積出港を持つ場所であり、ケープサイズバルカーの主要な寄港地でもあります。この地域では、低炭素アンモニアを船舶燃料として供給する計画が進行中で、商船三井、NH3、Oceaniaの三者が協力しながら事業の実現を目指しています。
アンモニアバンカリングハブの構想
商船三井は、ピルバラ港湾局が提案したピルバラ・クリーン燃料・バンカリングハブ構想に参画し、2030年までに地域にクリーンなアンモニアを供給する体制を整えることを目指しています。このプロジェクトでは、鉄鉱石運搬船の燃料をアンモニアに切り替え、安全かつ効率的なバンカリングオペレーションの実現を目指しています。
計画の詳細と目的
商船三井は、中国の船舶製造会社と共同で、アンモニア二元燃料のケープサイズバルカーを建造中です。この船は2026年に完成予定で、西豪州と東アジアを結ぶ鉄鉱石輸送ルートに従事することになります。また、商船三井は、アンモニアバンカリングの安全性や調達に関する検討を行いながら、パートナーと共に事業の進捗を監視していく予定です。
参加各社のコメント
商船三井の常務執行役員、髙橋和弘氏は「今回の覚書締結を非常に光栄に思います。ピルバラ地区での運航開始は、私たちにとって重要な一歩です。安全で信頼性の高いバンカリング体制を構築することに全力を尽くします」と述べています。
NH3会長のCharles Whitfield氏は、「この合意は低炭素燃料への移行が進んでいることを証明するものです。2030年までにピルバラ地区にアンモニアハブを設立し、持続可能な未来を築くことを目指します」と期待を寄せています。
Oceaniaの代表取締役、Nick Bentley氏も「商船三井およびNH3との連携は、実際に温室効果ガスの排出を減少させることに繋がります。この取り組みは、弊社のバンカリングサービスを通じて顧客が環境目標を達成する手助けをするものです」とコメントしています。
今後の展望
商船三井、NH3、Oceaniaの三者は、ピルバラ地域でのクリーンアンモニアの供給に向けた協力体制を強化し、持続可能なエネルギーの未来を切り拓くことを目指しています。これにより、海運業界全体における脱炭素化が進むことが期待されます。商船三井の新たな挑戦が、地球環境を守るための重要な一歩となることでしょう。