生成AIで医療現場の負担軽減を目指す「SpeechER」トライアル始動
2025年5月3日、TXP Medical株式会社が新たな音声入力カルテアプリ「SpeechER」のトライアルを牧田総合病院で開始しました。このアプリは、生成AIを活用し、医療従事者の記録業務の効率化を目指しています。まずは、どのような背景や特徴があるのかを見ていきましょう。
「SpeechER」誕生の背景
都市部の急性期病院では、限られた時間内に多くの患者対応と記録作業が同時進行で行われています。そのため、医療従事者の記録業務は非常に負担が大きく、記載の遅れや情報の漏れといった課題が浮き彫りになっています。牧田総合病院は、救急外来で年間6000台以上の救急車を受け入れている地域の中核病院です。このような環境下で、TXP Medicalは具体的な解決策も求められていました。
「SpeechER」の機能とは
「SpeechER」は、医療現場に特化した音声入力アプリです。医師や看護師がスマートフォンに話しかけたり、メモや数値の写真を撮るだけで、生成AIが必要な情報を抽出し、診療記録として構造化します。その結果、記録作業にかかる時間を最大70%も削減することが可能です。具体的には次のような機能が搭載されています:
- - 音声入力: 自由に話した内容から必要な情報を抽出し、自動的に所定のフォーマットに整形します。
- - 医療用語変換: 医療関連の略語や専門用語を文脈に応じて適切に処理する独自の辞書を持っています。
- - OCR機能: 認識した文字情報を記録に活用することができ、忙しい現場でも作業が捗ります。
- - 多言語対応: 外国人患者への対応が容易になる多言語機能も充実しています。
これらの機能により、医療従事者の業務負担を大きく軽減することが期待されています。
トライアルの実施
今回のトライアルは、医師、救命士、看護師の計31名が参加し、救急外来で「SpeechER」の実用性を検証します。実際に救急外来での診療フローにどれだけスムーズに組み込めるのか、またNEXT Stage ERとの連携によってどのように診療データが活用されるのかを継続的に観察していく予定です。
今後の展開
TXP Medicalは今後、「SpeechER」の機能強化を進め、他の医療機関でも実証研究を進展させ、新しい医療DX基盤を構築することを目指しています。今後、救急現場における医療の質や効率性向上が果たせるか、業界全体の動向にも注目が集まります。
代表者の声
牧田総合病院の理事長、荒井好範先生は「記録業務の負担を軽減し、診療録の整形を行ってくれるSpeechERの実用性を感じています。特に連続する患者対応の際に“話すだけで記録が進む”体験は、救急医療の新しい働き方になり得ると期待しています」と述べております。また、TXP Medicalの代表取締役である園生智弘先生は「医療現場に寄り添った技術を通じて、記録業務に追われる現場を解放したい」と力強く語っています。
まとめ
「SpeechER」は、生成AIによって医療従事者の記録業務の負担を軽減し、迅速かつ適切な診療記録を実現する革新的なプロダクトです。このトライアルを通じて、医療現場の新しい働き方やDXの進展が楽しみです。興味のある方はぜひ、は「SpeechER」の詳細をご覧ください。
SpeechER 製品ページ
TXP Medical株式会社は、医療データを基盤にした次世代の医療インフラを提供しています。今後の展開からも目が離せません。