バイオ燃料プロジェクト
2025-09-12 18:26:29

廃食用油を再利用した国際バイオ燃料プロジェクトが始動

廃食用油を活用した国際バイオ燃料プロジェクトが始動



東京都豊島区に本社を構えるアールイー株式会社は、食のサプライチェーンにおける様々な課題に取り組んできた企業です。そのアールイーと全国油脂事業協同組合連合会(全油連)が共同で進めるプロジェクトが、このたび東京都の「グローバルサウスGX促進プロジェクト」に採択されたことを発表しました。これは、インドネシア国内での廃食用油を回収・精製し、高品質なバイオ燃料として日本に輸出する国際GXプロジェクトです。

本プロジェクトの目的と背景



本事業は、インドネシアで発生している未利用資源である廃食用油を活用し、同時にGHG(温室効果ガス)の削減を目指すものです。インドネシアは、年間約480万トンの廃食用油を排出しているものの、その回収率はわずか5%と極めて低い状況です。このプロジェクトは、これまで捨てられていた廃棄物を循環型エネルギーとして再利用することで、環境負荷を低減し、持続可能なエネルギー供給を実現することを目指しています。

国際的なバイオ燃料市場への挑戦



現在、世界的な気候変動対策の一環として、再生可能エネルギーやバイオ燃料への移行が進んでいます。特に輸送分野では、化石燃料からの転換が急務とされています。2050年までには、約6.3億トンのバイオ燃料需要が見込まれ、この市場は拡大の一途をたどることが予想されています。インドネシアにおいても、未利用の廃食用油の制度的再活用が進むことで、資源の有効利用が可能となります。

事業の具体的な取り組み



このプロジェクトは2025年度から3年間にわたって実施され、以下のような具体的な取り組みが進められます。
1. 廃食用油の効率的回収: インドネシアにおいて廃食用油の回収体制を整え、現地の事業者との連携を強化します。
2. 高品質バイオ燃料の精製: 日本農林規格に基づく技術を導入し、国際基準を満たす高品質なバイオ燃料を製造します。
3. 日本への安定供給: 精製したバイオ燃料を日本に輸出し、国内での幅広い分野での利用を目指します。
4. 脱炭素推進: インドネシアでのGHG排出削減と東京都内でのバイオ燃料利用を両立し、アジア全体のGX推進モデルに繋げます。

事業の進捗と2025年度への期待



2025年度には、現地での廃食用油の回収状況を調査し、効率的なオペレーションデザインの策定を開始する予定です。また、2026年度にはテスト精製を行い、バイオ燃料の品質評価を実施していきます。最終的には、2027年度から実際の輸出を開始し、日本の航空、船舶、建設機械、鉄道などでの利用が期待されています。

今後の展望



アールイーの代表取締役、今井直樹氏は、「このプロジェクトを通じて、日本とインドネシアのエネルギー分野でのパートナーシップを強化し、持続可能な未来を目指したい」とコメントしており、これからの展開に対する期待が高まります。東京都はこのプロジェクトを重要な取り組みと捉え、さらなる支援を行っていく姿勢を示しています。

結論



アールイーのバイオ燃料プロジェクトは、インドネシアの廃食用油を有効活用し、日本のエネルギー需要に応える革新的な試みです。今後、このプロジェクトがどのように進行し、成果を上げていくのか、注目が集まります。エネルギーの循環を実現することで、持続可能な未来に向かって一歩踏み出すことが期待されています。


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