データ主権とAI技術
2024-12-17 10:52:26

EAGLYSと岡山大学が共同研究を開始、生成AI時代のデータ主権を守る

生成AI時代とデータ主権の新たな挑戦



EAGLYS株式会社と岡山大学は、生成AIの発展に伴うデータ主権の問題を解決するための共同研究を始めました。近年、生成AIをはじめとする技術の進化により、データの価値が急上昇していますが、その恩恵を受けられているのはごく一部の企業であることが浮き彫りになっています。これにより、データを提供する個人や組織は適切な対価を得られずにいるという課題があります。

特に生成AIのトレーニングに必要な膨大なデータを集め、扱うためには中央集権的な方法がさらに促進される傾向にあります。そのため、個人のデータの権利を守りつつ、AIなどの技術を活用するためには、革新的なアプローチが求められています。ここで注目されるのが、準同型暗号を用いた秘密計算です。これはデータを暗号化したまま計算処理を行うことができ、プライバシーを保護しつつデータの利活用を可能にする技術です。

しかし、その実用面では処理速度の課題が立ちはだかっています。特に、生成AIなどの大規模データを扱う際には、従来の技術では現実的な時間内で処理を完了するのが難しいのが現状です。そこで、EAGLYSと岡山大学の共同研究が、支援し合いながらこの課題を克服し、世界最速の処理速度を実現することを目的としています。

具体的な研究の概要


本研究によって取り組む内容は、技術革新をテーマにした三つの観点から成り立っています。まずは、基盤技術の改善とGPUを用いた高速化のための開発を行います。さらに、数値解析の面では、行列積や逆行列の計算量を削減し、より効率的なアルゴリズムを模索します。そして最後に、機械学習モデル、特にガウス過程回帰やTransformerモデルの実装を進めることで、これまでにない実用的な時間枠での計算が可能になることを目指します。

今後の展望


研究の結果として得られる技術や知見は、論文発表や学会で積極的に外部に発信していく予定です。世の中に存在するデータを有効に利用しつつ、高度なAIモデルでの秘密計算の活用を進めることで、プライバシーが保护されたデータの安全かつ迅速な利活用が実現される社会への道を切り開く役割を果たします。

岡山大学 野上・小寺研究室の取り組み


岡山大学の情報セキュリティ工学研究室、野上・小寺研究室は、情報社会の安全を守るため、幅広い研究を行っています。暗号技術や乱数生成、通信プロトコルなど、様々な分野における研究を通じて、私たちの生活と社会に寄与しています。

EAGLYS株式会社のビジョン


EAGLYSは、プライベートAIプラットフォームを提供し、自社の秘密計算技術によりインダストリーデータの活用を促進しています。EDAやAIの協業を通じて、社会の発展に貢献することを目指しています。これは、世の中に存在する膨大なデータをより良く利用し、皆がその恩恵を享受できる仕組みを構築することに他なりません。

この共同研究は、データ主権に関する未来の概念を形作る重要な一歩となることでしょう。


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