ハイケムと光語バイオテックが手を組む
2023年、ハイケム株式会社は中国のバイオテック企業、楽清光語生物科技有限公司(光語バイオテック)との戦略的パートナーシップを締結しました。この提携により、光語バイオテックが開発した微細藻類培養設備「フォトバイオリアクター」を、日本を含むグローバルな市場で展開します。また、同技術のライセンス供与や技術サポートも強化していく意向です。
微細藻類の注目度が高まる
微細藻類は最近、次世代の産業資源として非常に注目を集めています。具体的には、バイオ燃料や次世代タンパク源、バイオプラスチックや化学品の原料、さらにはカーボンニュートラルに貢献する素材として期待されています。これまで微細藻類の大量培養は技術的に困難とされていましたが、光語バイオテックが開発した「フォトバイオリアクター」により、効率的な生産が実現可能となります。
フォトバイオリアクターとは?
「フォトバイオリアクター」は、光合成を利用して微細藻類を効率的に培養する装置です。この装置は、ガラスや特殊樹脂で構成された密閉構造を持っており、外部からの汚染を防ぎつつ、最適な培養環境を保つことができます。これによって、従来の方法では難しかった大規模な微細藻類の生産が可能となります。
光語バイオテック社の強み
光語バイオテックは、2012年に設立された中国の先進的なバイオテック企業で、備えているサプライチェーンを活用して高品質な製品を市場に提供しています。同社は、3つの研究開発チームおよび20名の研究員を擁しており、顧客のニーズに応じた優れた種苗の選定や製造プロセスの最適化を行っています。その結果、同社はコスト競争力の高い製品を提供することが可能です。
ハイケムの取り組み
ハイケムはC1系SEG®技術を基盤に、CO2を原料とした化学品の製造に取り組んでおり、脱炭素技術の開発や商業化を進めています。また、生分解性プラスチックの社会実装にも力を入れており、環境に優しい化学品の提供を目指しています。光語バイオテックとの提携は、これらの取り組みとの相乗効果を期待できます。
未来に向けた可能性
微細藻類を活用した新たな産業は、今後の持続可能な社会を実現するための重要な要素となるでしょう。ハイケムと光語バイオテックの協力により、微細藻類を利用したさまざまなプロジェクトが進行し、環境問題への対応が加速することが期待されます。これからの展開に注目が集まる中、両社の取り組みがどのような成果を上げるのか、非常に興味深いところです。