持続可能な航空燃料の学びを深める中高生たち
東京農業大学は、ENEOS株式会社および名鉄観光サービスと連携し、中学生と高校生を対象にした特別な探究学習プログラムを開始しました。このプログラムでは、北海道オホーツク地域の農作物を持続可能な航空燃料(SAF)へと変える可能性を探求します。
プログラムの背景
この探究学習は、日本全国で進む脱炭素化の流れに寄与する新たな知識を生徒たちに提供することを目的としており、持続可能な社会を実現する一助となることを目指しています。特に、プログラムに参加する生徒たちは北海道オホーツクの農業を実際に体験しながら、食品廃棄物や農業廃棄物などのバイオマスを原料にした航空燃料の重要性について考える機会を得ることができます。
探究学習の内容
このプログラムでは、参加者である39名の生徒たちが、恵泉女学園中学・高等学校や昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校など計4校から集まりました。彼らは事前授業においてENEOSからSAFに関する基本的な知識を習得した後、2025年の夏に実施される現地研修に向けて準備を進めていきます。この研修では、以下のテーマに基づいて行動します。
1. オホーツクおよびその地域の農業に関する理解
2. 農業とバイオ燃料の原料としての関係
3. 航空業界からの視点でのバイオジェット燃料の理解
生徒たちは、これらのテーマをもとにグループを編成し、現地の農家や関連企業を訪問し、実地での学びを深めていきます。
現地研修の成果
現地研修を経て、生徒たちはそれぞれのグループで成果をまとめ、ENEOSにプレゼンテーションを実施しました。彼らは、北海道の気候や社会問題、SAFに関わる政策の動向を踏まえたうえで、食品廃棄物や地元の作物(魚のあらや内臓、甜菜、スイートコーン、サツマイモなど)の利用可能性について提案を行いました。
これまでの学びを通じて、生徒たちは持続可能な社会に向けた具体的なアクションを考えるきっかけを得ました。彼らの発表内容は、ただ燃料としての機能だけでなく、地域社会の持続性や食との絡みをも考慮しており、非常に意義深いものでした。
結論と今後の展望
東京農業大学、ENEOS、そして名鉄観光サービスは、今後もSAFの普及に向けた取り組みを推進し、温室効果ガスの削減や持続可能な社会の実現に貢献していく意向です。このプログラムを通じて得た経験と知識は、参加した生徒たちにとって大きな財産となり、未来の環境問題解決のリーダーたちとして成長するきっかけになると期待されています。
持続可能な航空燃料と今後の社会について、次世代の担い手として生徒たちがどう取り組んでいくのか、引き続き注目が必要です。