生成AI活用の進化が2025年度新入社員の意識を変える
2025年度に新しく入社する社員たちの中で、生成AIを活用した経験を持つ人が約8割に達したことが、最近の調査で明らかになりました。この調査は、学校法人の産業能率大学総合研究所が実施したもので、369人の新入社員を対象に行われました。この結果は、今後の労働市場における新入社員の働き方にも大きな影響を及ぼすと考えられます。
調査の概要
調査は2025年3月26日から4月10日の期間に実施され、対象は2025年に就職した新入社員です。アンケートの結果によると、78.3%の新入社員が生成AIを活用した経験があると答えています。特に、生成AIをどのような目的で活用したのかを聞いたところ、最も多かったのが「検索や情報収集に活用」したというもので、59.3%がこの方法を選びました。これは、昨年度と比較すると約28ポイントも増加しています。
次いで、39.8%が「学習や研究」に利用した、30.6%が「文章作成」といった回答を寄せています。全体として、昨年度比で生成AIの活用が広がっている様子が見て取れます。
就職活動における生成AIの活用状況
就職活動の段階でも、生成AIの活用が浸透してきています。調査によると、就職活動中に生成AIを使用した新入社員は36.9%でした。また、エントリーシートや履歴書の作成支援を「活用した」と回答した人数も、昨年度の8.9%から22.0%に増加しました。
面接準備や模擬面接の際に活用したという声も12.7%に上り、企業情報の収集に活用した人も12.5%にのぼりました。これに対し、63.1%の新入社員は特に生成AIを利用していなかったとのことですが、これは昨年度の85.6%から大幅に減少したことを示しています。
業務での生成AI活用の意向
さらに興味深いのは、業務における生成AIの活用意向についての結果です。92.4%の新入社員が今後の仕事に生成AIを利用したいと回答しています。その中でも、42.0%は「業務のサポートとして活用したい」との意向を示しており、昨年度からの増加が顕著です。一方で、一般的に「必要に応じて活用を検討する」という臨機応変派の割合は減少し、20.9%の新入社員は「積極的に活用して新しい価値を生み出したい」との意向を持っています。
まとめ
これらのデータから見えてくるのは、生成AIの活用が新入社員の働き方や就職活動において確実に浸透しているということです。特に、業務において生成AIを活用したいと考える新入社員が増えていることから、企業もそのニーズに応える形で新しい働き方の推進が必要となってくるでしょう。生まれ変わった業務環境の中で、生成AIがどのように役立つのかを考えることが求められています。今後、新入社員の成長とともに、生成AIの活用がどのように進化していくのか、大変興味深いことです。