人的資本経営が成果を左右する鍵を探るレポート公開のご案内

リクエスト株式会社は、人的資本経営に関連する最新のレポートを公開しました。このレポートは、「人的資本を成果に変える会社・変えられない会社」というテーマで、特に近年多くの企業が取り組む人的資本開発の重要性を解説しています。多くの企業が人的資本経営やCHRO制度、ジョブ型制度を導入しているものの、事業成果につながらないケースが存在するのはなぜなのでしょうか。

結果が出る会社と出ない会社の違い

多くの企業からは「制度は整ったが、事業成果とのつながりが見えない」「人は育っているはずなのに、成果が安定しない」といった声が聞かれます。本レポートでは、この違いが制度の整備や運用の努力ではなく、事業構造の違いに起因していることを明らかにしています。具体的には、事業価値の最終工程が社内にある「内部完結型事業」と、社外の要素が影響を与える「外部協働型事業」の2つに分類されていました。

内部完結型事業とは

この構造では、商品の完成やサービスの提供が自社の内部で完結します。例えば、店舗やオンラインサービスがこれに該当します。このような事業構造では、人的資本経営やCHRO制度が比較的スムーズに機能します。社内でプロセスが完結しているため、人材の育成と業績の関連が明確に見えるからです。

外部協働型事業となると

一方、外部協働型事業の場合、成果は社外の判断や行動に依存します。例えば、建設業や物流などの事業がこれに当たります。この場合、人的資本経営や能力開発の成果が社内に留まらず、外部の要素が多く関与するため、制度の整備だけでは成果の可視化が難しくなります。

成果を生むための「能力設計」とは

本レポートでは、制度自体の良し悪しではなく、経験をどう能力に変換し、その能力を具体的な成果にどのように接続するかが重要であるとしています。特に外部協働型事業においては、一般的なスキルやコミュニケーション能力だけでなく、背景を読み解く力や価値を提供するためのプロセス設計が重要です。

これらは、単に研修や制度をもってして得られるものではなく、実際に現場での経験を積み上げていくことによってのみ形成されます。コアとなるスキルや思考は「経験設計」によって蓄積され、企業の競争力を左右する要因となります。

Business Capability Development（BCD）の必要性

また、経営側での人材育成や能力設計の重要性を改めて認識させるため、Business Capability Development（BCD）という新たな機能を提唱しています。この機能は単なる人事機能ではなく、事業成果を導くために必要な経験機会を設計し、判断と結果の因果を検証し、再利用可能な形で組織に残す役割を担います。