医療機関における診療支援ICTサービスの現状
近年、医療機関のICT(情報通信技術)サービス導入が進んでいます。特にミーカンパニーが行った調査によれば、全国約3万の医療施設を対象に診療予約システムやオンライン診療システム、Web問診システムの導入状況が明らかになりました。
調査の概要と方法
ミーカンパニー株式会社は、東京都港区に本社を置く企業で、医療機関・薬局・介護データベース「SCUEL」の構築を行っています。今回の調査では全国の保険医療機関、66,590施設の公式ホームページを参照して情報を収集しました。具体的には、予約システム、オンライン診療、Web問診の利用状況を分析し、医療機関におけるICTサービスの実態を把握しました。
調査対象と結果のポイント
- - 対象施設: 一般診療所・病院66,590施設
- - 調査方法: web調査(医療機関ホームページ・メーカーホームページ)
- - 調査期間: 2024年10月
調査結果によると、診療予約システムの導入率は約21.9%、オンライン診療は5.8%、Web問診は5.2%という現状が示されました。特に東京、大阪、神奈川などの都市部では導入件数が多く、地域によって導入状況に差が見られることが分かりました。
各診療支援ICTサービスの導入状況
1. 診療予約システム
診療予約システムは、全国の診療所の約21.9%が導入しています。特に内科や小児科などで多く見られ、開設10年以内や院長年齢が45歳以下の診療所で導入傾向が強いとされています。しかし、在宅診療を行う施設では導入が進んでいない傾向があります。東京や大阪、神奈川が導入件数の多い地域です。
2. オンライン診療システム
オンライン診療は5.8%の導入率があり、特に内科や小児科での導入が目立ちます。導入が進んでいる地域としては東京都や神奈川県、千葉県が挙げられますが、院長年齢が65歳以上の医院では導入が難しい状況です。
3. Web問診システム
同様に5.2%の導入率を記録しているWeb問診システムは、内科や小児科に多く見られますが、特に産婦人科や耳鼻咽喉科での導入割合が高いのが特徴です。こちらでも導入が進んでいる地域は東京都、大阪府、神奈川県です。
地域特性と診療科ごとの傾向
調査を通じて地域ごとの特色が浮き彫りになってきました。地域別の導入件数を見てみると、東京や大阪、神奈川が上位に位置している一方で、北海道ではドクターキューブが強いなど、各地域の特性に応じたICTサービスが選ばれています。また、開業年数によっても新しいメーカーが評価されている傾向があり、授業が10年以内の診療所で需要が高いことがわかります。
結論と今後の展望
健康管理や医療サービスにおけるICTの導入は、今後ますます重要性が増していくと考えられます。ミーカンパニーの今回の調査結果は、医療機関がどのようなICTサービスを導入しているか、またその地域や診療科による特性を分析することで、今後の戦略に役立てる貴重なデータを提供しています。患者にとっても迅速で便利な医療サービスの提供が期待される中、さらなるICTサービスの普及が望まれます。これからも医療業界の進化に注目していきたいと思います。