トヨタ・モビリティ基金が選定した新たな10社
近年、社会全体でのインクルーシブな変化が求められています。その中で、トヨタ・モビリティ基金(TMF)と北米のイノベーション拠点であるMaRS Discovery Districtが連携し、障がい者の移動を支援するプログラム「Mobility Unlimited Hub」の第2期参加企業を発表しました。これにより、全ての人が自由に移動できる社会の実現に向けた取り組みが加速します。
プログラムの概要
「Mobility Unlimited Hub」は、障がい者に対する支援を行うスタートアップや企業を対象としたプログラムで、今回の第2期では、70以上の応募から厳選された10社が選ばれました。第1期では7社が参加し、革新的なパーソナルモビリティソリューションを提供し、グローバルな展開や資金調達などの成果を上げています。この取り組みは今後も続けられ、さらなる多様性がもたらされる予定です。
第2期の参加企業とその取り組み
1. Bionic Power Inc. (カナダ)
神経筋疾患に苦しむ方々の歩行をサポートするため、スマート装具を開発しています。足の動作に課題を抱える人々への支援が期待されています。
2. GiveVision (イギリス)
視覚に障がいがある方々のスポーツ観戦をより快適にするため、リアルタイムで映像を補正するヘッドセットを開発。視覚情報を強調し、より良い体験を提供します。
3. Human in Motion Robotics Inc. (カナダ)
ウェアラブルな歩行支援機器を提供し、リハビリや日常生活でのスムーズな移動をサポート。自動姿勢制御機能により、手を使わずに立ち上がったり歩行したりできるのが特徴です。
4. ImaginAble Solutions Inc. (カナダ)
手の動きが制限されている方々が文字や絵を描いたり、タッチスクリーンを操作するためのデバイスを開発。教育現場や医療機関での実用化が期待されています。
5. Kinesix XR Inc. (カナダ)
VRおよびAR技術とAIを駆使したリハビリテーション技術を提供。脳卒中やパーキンソン病などの症状に対して、新たな治療法を目指します。
6. Ora Medical Inc. (カナダ)
手を使わずに操作できる歩行訓練機器を開発。歩行が困難な子どもたちにとって、理解しやすい訓練ができる重要な道具となるでしょう。
7. Possibility Neurotechnologies (カナダ)
脳波を利用して外部機器を操作するモバイルアプリを開発。思考だけで機器をコントロールし、コミュニケーションを支援します。
8. smartARM Robotics Inc. (カナダ)
AIを活用して物体を認識し、義手の適切な握り方を自動選択する技術を提供。これにより、上肢切断者が自立した生活を送る手助けをします。
9. Steadiwear (カナダ)
手の震えを軽減する特製グローブの開発。パーキンソン病や脳卒中による困難を抱える方々に役立ちます。
10. Victoria Hand Project (カナダ)
3Dプリンティング技術を用いて、支援が必要な地域で義手を提供。医療機関との連携を通じて、新しい希望を届けます。
未来への投資
移動の自由を支援する姿勢は、企業のみにとどまらず、社会全体に広がる必要があります。TMFは、全てのステークホルダーを尊重しながら、このような革新的な取り組みを推進しています。これからも「Mobility Unlimited Hub」は、障がい者の生活向上に向けた創造的なソリューションを提供し続けることでしょう。そして、より多様性に富んだインクルーシブな社会が構築されることを期待しています。詳細については、
Mobility Unlimited Hubの公式サイトをご覧ください。