東京発、地図整備のDX化とAIを駆使した建物変化抽出ソリューションの実力
現在、地図の整備や更新における課題は多く、特にその広域性から、様々なデータが必要とされるのが現状です。株式会社スペースシフトとジオテクノロジーズの二社は、合成開口レーダー(SAR)衛星データを利用し、効率的な地図整備の新しい手法を確立しました。これは、地図整備業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進する大きな一歩となります。
地図整備における課題と背景
ジオテクノロジーズが手がける地図整備は、日本全国にわたる超広域のエリアを対象としています。そのため、建物や道路の変化を的確に把握する必要がありますが、調達される衛星画像には変化のない部分も多いため、整備業務に活用できないケースが多く見受けられるのです。このため、効率的に変化点を特定し、有効なデータを選定することが必要でした。
協業の経緯とそのソリューション概要
スペースシフトは既に、建物変化検知のための独自AI技術を開発していました。2022年より、ジオテクノロジーズとの協働が始まり、実証実験を行いながら地図整備業務への適用可能性を模索してきました。その成果として、2023年9月には日本全国の四分の一の地域を対象にした実証実験(PoC)が実施されました。そこで得られたデータをもとに、2024年度から本格的に「建物変化点抽出ソリューション」の活用が開始されることが決定しました。
このソリューションでは、天候に左右されることなく、SAR衛星から得られるデータをAIで解析し、建物の新築や解体といった情報を提供します。これにより、ジオテクノロジーズは効率的に変化量の多いエリアを把握し、必要な衛星画像を適切に選定することが可能になりました。
ソリューション導入の効果
この革新的なソリューションの導入により、ジオテクノロジーズは地図更新にかかる整備コストを13.2%削減できるとしています。また、建物の更新割合も約1.8倍に達しました。この結果、全国対象での地図更新業務の優先順位が明確になり、より効果的に整備を進めることが可能になったのです。
設立背景と今後の展望
スペースシフトは2009年に設立され、「地球上のあらゆる変化を認識可能に」というビジョンを掲げています。今回の技術導入はそれを実現する一環であり、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩です。ジオテクノロジーズは、これまでの経験を生かしながら、さらなる技術の向上に努めていくとのことです。
コメントセクション:
ジオテクノロジーズのマップディベロップメント部門である簗場郁恵さんは、スペースシフトのAIや衛星データの解析技術によって、整備コストの削減とデータ精度の向上が共に実現したと述べています。また、スペースシフトの最高技術責任者である元村和史さんも、本プロジェクトの成功を喜び、今後のさらなる挑戦を見据えています。
まとめ
この新しいソリューションによって、未来の地図整備業務はさらに効率化され、質の高い地図データが提供されることでしょう。状況の変化が激しい現代において、精度の高い情報はますます重要になります。スペースシフトとジオテクノロジーズの連携が今後の展開にどう影響を与えるのか、注目です。