被爆ピアノ演奏会
2025-10-17 10:28:52

被爆ピアノの音色とともに平和を願う子どもたちの演奏会

被爆ピアノの音色とともに平和を願う子どもたちの演奏会



2023年10月13日、茨城県土浦市のクラフトシビックホールで、特別なイベントが開催されました。生活協同組合パルシステム茨城 栃木が主催したこの演奏会は、被爆から80年を迎える節目に、423名の参加者が集まりました。この会場には、広島で被爆したピアノが置かれ、その音色とともに子どもたちが平和を願う歌声を響かせました。

子どもたちの心からの歌声



演奏会では、土浦市立土浦第二小学校の合唱団38人が被爆ピアノの伴奏で歌いました。彼らは「世界の平和を願って歌います」と述べ、選ばれた7曲を披露しました。初めに元気よく「気球に乗ってどこまでも」を歌い上げ、次に「あおい天使」ではNHK全国学校音楽コンクールの課題曲にちなみ、過去の被爆者の思いを想像しながら歌う姿が印象的でした。

さらに「青い空は」は、核兵器の廃絶運動の象徴的な曲として歌われ、子どもたちは作曲者の指導を受けてより深い思いを表現しました。彼らは「原爆をなくしたい」という希望を胸に、平和を願いながら「見上げてごらん夜の星を」へと続けていきました。

演奏の合間には、紙芝居「英(ひで)ちゃんと原爆」を通して被爆の歴史について学んだ子どもたちが、自分たちの思いを語り合いました。「絶対に戦争をするべきではない」という強い決意や、日々の生活の中で感じる幸せを語る声が場内に響きました。

被爆ピアノの響き



演奏会で使用された被爆ピアノは、広島の原爆投下から約3km離れた民家に所属しています。このピアノを修復し、全国を巡る活動を行っているのが矢川光則さんです。彼は被爆者とともにその歴史をもつ楽器の音色を広め、平和の大切さを伝え続けています。彼の活動は、子どもたちと共に平和を祈る時間を創り出し、被爆ピアノの重要性を再確認させるものでした。

映画「おかあさんの被爆ピアノ」の上映



演奏会の後には、映画「おかあさんの被爆ピアノ」の上映も行われました。この作品は矢川さんの活動をモデルにしたドキュメンタリーで、公開から3年を経てなお、全国で上映が続けられています。これは単なる上映に留まらず、被爆者の声を聴くことで人々が平和について考えるきっかけを提供しています。映画はアメリカの映画祭でも平和賞を受賞しており、国際的にも評価されています。

パルシステム茨城 栃木の平和への取り組み



生活協同組合パルシステム茨城 栃木の活動は、地域の平和を考え、次世代へのメッセージを伝えることに力を入れています。今回の演奏会はその一環として、参加者から寄せられた平和のメッセージを掲示するコーナーも設けられました。「穏やかで平和な日々が続きますよう」といった願いが87枚集まり、会場はさらに温かい雰囲気に包まれました。

開催されたイベントは、被爆ピアノによって過去の悲劇を忘れず、未来へと続く平和の道を子どもたちに託すための重要な一歩でした。2025年には国際協同組合年を迎え、さらなる活動が期待されています。

矢川さんは「今日の演奏会が平和の尊さを考えるきっかけになってほしい」と参加者に語りかけました。これからも、大切なメッセージを持った音楽が伝わる場を創り続けていくことでしょう。


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