子どものための新しいオペラ体験「オペラの子ども食堂」の夢を追いかけて
二期会BLOCポケットオペラが提唱する「オペラの子ども食堂」は、子どもたちがオペラを通して楽しみながら人とつながり、学び合う場所を提供する試みです。2023年に始動したこのプロジェクトの背景や今後の展望についてご紹介します。
夢の始まり:First Stepとは
2023年、二期会BLOCポケットオペラは、オリジナル日本語訳詞によるオペラ『ヘンゼルとグレーテル』を上演し、子どもたちと一緒にオペラの世界を楽しむことを目指しました。この取り組みは「オペラの子ども食堂」というコンセプトのもと、全国で10か所でこのような場を展開することを目指しています。
特に7月の公演では、子どもたちが合唱で参加し、オペラを実際に体験する幸運を得ました。その後、10月には参加者やその家族との交流会も開催され、オペラを通じたコミュニティ作りを進めています。
地域との連携:Second Stepの進展
気持ちを新たにする2024年、「オペラの子ども食堂」は地方展開にも力を入れることになりました。名古屋や岡崎といった地域での公演を念頭に、子どもたちが地域のパートナーと共にオペラを楽しむ機会を創出しました。名古屋こども歌劇団との協力による公演は、新たな試みとして成功を収めています。
特に岡崎市の城南小学校での学校公演では、特別支援学級の子どもたちも出演し、地域全体が一体となっての感動体験が生まれました。このように、地域の文化と連携することで、多くの子どもたちにオペラが届けられることが期待されています。
次なる一歩:Third Stepの展望
2025年には「オペラの子ども食堂」が「子どもたちのサードプレイス」として新たに定義されることになりました。これにより、参加する子どもたちだけでなく、様々な協力者(協働パートナー)と一緒にオペラを創り上げるプロセスが強化されます。特に東京学芸大学とのコラボレーションは、教育と芸術の融合を実現するとともに、大学生が子どもたちと共に創り上げる体験が新たな学びの場となります。
2025年12月20日には、本格的なオペラの上演が予定されており、参加する子どもたちはワークショップを通じて歌や演技の基礎を学ぶことができます。音楽家や大学生と共に創り出す舞台は、子どもたちにとって特別な体験として記憶に残るでしょう。
この公演では、子どもたちが様々な観点からオペラに取り組むことができ、身体表現や美術に触れる機会も豊富に用意されています。ワークショップを通じて、子どもたちのコミュニケーション能力や創造性も育まれることでしょう。特に、子どもたちがチームで自分たちの意見を出し合い、役割を果たしていく姿には、多くの感動が待っています。
お待ちかねの募集開始
2025年5月には、参加する子どもたちの募集が開始されます。ウェブサイトやSNSを通じて詳しい情報が発表される予定なので、楽しみにしていてください。子どもたちがオペラを通じて新しい出会いや体験を得る機会が、一人でも多くの参加者にとって貴重なものとなるよう、心から願っています。
最後に
中地雅之先生(東京学芸大学教授・公演監督)は、このプロジェクトが子どもたちにとって創造と学びの場になることを期待しています。また、冨田真理さん(二期会BLOCポケットオペラ代表)も、地域の人々との繋がりを深めることで、オペラが身近な存在になることを目指しています。
2025年の公演までの道のりは、新たな挑戦とともに、多くのワクワクが待っています。「オペラの子ども食堂」の場で、多くの子どもたちと共にオペラを楽しむ日が待ち遠しいです。