早稲田大学演劇博物館のデジタル化へ向けた一歩
近年、情報化社会が進む中で、文化財や資料のデジタル化は重要な課題となっています。このたび、早稲田大学の坪内博士記念演劇博物館が、株式会社モルフォAIソリューションズのAI-OCRソフトウェア「FROG AI-OCR」を導入し、館報のデジタル化を推進すると発表しました。これにより、演劇博物館は、長年にわたって発行されてきた館報の情報を、オンラインで簡単にアクセス可能にすることを目指しています。
モルフォAIソリューションズの役割
モルフォAIソリューションズは、AI技術を駆使して文化情報のデジタルアーカイブ化を行う企業です。同社の「FROG AI-OCR」は、近代日本書籍の読み取りに於いて特に優れた性能を発揮します。旧字や旧仮名、さらには複雑なレイアウトにも対応可能で、高精度なテキストデータの作成ができます。
演劇博物館の館報は、1929年の創刊以来、戦前・戦後を通じて125号以上発行されていますが、その多くは紙での保存のみであり、デジタルデータ化は最近のものに限られています。未来の100周年を見据えて、過去の膨大な情報を活用するための基盤を築くことが求められています。
館報デジタル化の意義
演劇博物館がテキストデータ化を進めることで、これまで時間がかかっていた資料の検索が容易になり、作業負荷の軽減が期待されます。また、館報の透明テキスト付PDFの作成により、館の運営や研究、教育活動におけるデータの利活用が広がります。これにより、演劇に関する貴重な資料がより多くの人々に届き、演劇の持つ歴史や価値を広めることができるのです。
FROG AI-OCRの特徴
「FROG AI-OCR」は、特に近現代の書籍のデジタル化に特化したソフトウェアで、これまで難しかった古い資料の電子化を可能にしています。これにより、大学や博物館、図書館などの文化機関にとっては、貴重な文化資源を守り、次世代に伝えるための重要なツールとなります。
モルフォAIソリューションズは、今後もこの技術を活用し、さまざまな学術機関やGLAM(美術館、図書館、公文書館、博物館)でのデジタルアーカイブ化の推進を目指します。これにより、さらなる研究支援と文化の保存が実現できることでしょう。
まとめ
早稲田大学演劇博物館の「FROG AI-OCR」導入は、100年の歴史を持つ日本の演劇に関する資料を未来へつなげる重要な一歩です。演劇博物館がこの技術を活用することで、データの利活用が進み、より多くの人々に日本の演劇文化に触れてもらうことが期待されます。文化財の保存とデジタル化が進む中、今後の展開に注目です。